前進し続ける人に共通のキーワード
「もう」は「まだ」なり。「まだ」は「もう」なり。
私の文章によく登場するので、最早おなじみの父が、
よく言っていたことばのひとつです。
実際は、相場に関する格言の代表格のようですが、
父が相場などに興味があるはずもなく、
「もうこの辺でいいかなぁ」と思うときは、「まだまだ」だ。
「まだ大丈夫」と思う時は、「もうそろそろ」あぶない。
どんなことでも甘く見るな、油断をするな、怠けるな。
というような意味でつかっていたように思います。
そして、このことばは、父が残してくれた数あることばの中でも、
ことあるごとに頭をよぎることばのひとつ。
たとえば本番前の練習。
「もうこのくらいでいいかしら?」と思って引き上げるときは、
なにか落ち度があったり、
本番、肝心のことが抜け落ちたり。
たとえばセミナーなどで話している時。
「まだ大丈夫ね」とのんびりしていると、
あっという間に終了時間が来て、尻切れトンボで終わることになったり。
準備を甘く見ているつもりはないのだけれど、
「もう」や「まだ」の中には、どこか妥協や甘えがあるのかもしれません。
では、一体全体どこまでやるべきか?
どんなプロジェクトでも、完璧にやり遂げようと思いすぎて、
ぐずぐずと時間ばかりが経ってしまうことは、けして美徳ではないはずです。
現に、こうして文章を書いていても、
完璧に書かなくちゃ、カッコいいこと書かなくちゃと思いすぎて、
書けなくなってしまったのでは、意味がない。
完璧主義でぐずになるのは、臆病さの現れとも言えます。
え〜〜!!??
「もう、こんなもんでいいか?」がダメで、
「まだ、この段階ではこのくらいでいいんじゃない?」がダメで、
「完璧にやらなくちゃ」もダメで・・・
じゃあ、どうすりゃいいの〜〜?
そう。まさに、それこそが、毎日、自問し続けること。
「この辺か?」「いや、まだか?」
そんな風に粘るうちに、明白な「YES感」がふわりと訪れる瞬間があります。
自分の定めた締め切りを破らない。
持てる時間の中で、できる限り、最大限の努力をし、
「YES感」が得られるまで、徹底的に粘る。
そして「YES感」を得られたら、勇気を持って前進すること。
「こんなもんでいいか?」と建てられた手抜きビルはゆがみ、ひび割れ、カビが発生し、
「まだ、大丈夫でしょう?」と放置された老朽化した建物はちょっとした災害で倒壊する。
ただただ完璧さを追求すると、着工130年経った今も、完成のめどが立たない、
サグラダファミリアような建物を建てようとしてしまうかもしれません。
(いやいや。今日も、一部、理解を超えた天才のことは置いておきましょう。)
締め切り。YES感。そして勇気。
前進し続ける人に共通のキーワードです。
関連記事
-
-
立ち止まるな!学び続けろ!
インスタライブ、Facebookライブ、 リール投稿にストーリーにYouTube …
-
-
言い切ったもんが勝つ。 そして、言い切れるやつは本気でカッコいい。
「自分を信じる力を才能という」 かのジョン・レノンの名言として、 とある雑誌で紹 …
-
-
想像力は人の痛みを知るためにある。
2002年、 ふらっと訪れた旧友たちの住むニューヨーク。 以前住んでいたアパート …
-
-
「人に頼れない」という「あかん」を返上するのだ!
こどもの頃から、一匹狼というか、(こんな顔なんで、一匹タヌキを自負しているわけで …
-
-
変化は必然。
業界のお仕事が長いせいか、 はたまた海外生活を経験したせいなのか、 変化に対する …
-
-
「火事場の馬鹿力」を操る!?
切羽詰まったとき、 追い込まれたとき、 人は、思いもよらなかった力を発揮し、 周 …
-
-
人生で大事なことは、みんなバンドから教わった
バンドって、うまく行ってるときは、 「これほど素敵なものはない!」と思えるくらい …
-
-
「振り返ればいつも若造」reprise
「振り返ればいつも若造」。 何年か前から使っている、お気に入りの言い回しです。 …
-
-
「また、やっちゃった」と落ち込まないためには?
人はなぜ、同じ過ちを何度も何度も繰り返してしまうのでしょう? 毎回、それなりに後 …
-
-
音なき音楽をキャッチする
歌や音楽を学びたい、極めたいと思うとき、 ついつい、音楽のことばかりを考え、 ま …

