一瞬一瞬を大切に、大切に生きる。
ブログを書くようになって、
日々、自分の過去の記憶をたどっています。
ところが、何度、その作業を繰り返しても、
鮮明に蘇るのはいつもおなじ場面たち。
1年365日×むにゃ10年の歴史の中で、
取り出せるのはほんの数パーセント。
しかも、連続した時間ではなく、
静止画のような「シーン」です。
そうした鮮明な記憶に残る、
意味のあるシーンと、
繰り返される日々に埋もれてしまう、
自分にとってどこか希薄な記憶の違いは一体何なのか。
人間の記憶というのは、本当に不思議なものです。
人間の脳は、実は「体験したことのすべてを記憶している」という説があります。
しかし、すべてを覚えていることに人は耐えられない。
忘却は人間の防衛本能の成せる技だというのです。
まぁ、忘れてしまうようなことは、
おそらく自分にとって重要ではないこと。
無意識ながら記憶に優先順位をつけることで、
大切な記憶、いつでも取り出したい記憶が、
埋もれてしまわないようにしているのかもしれません。
あの時、あの人はなんて言ったんだっけ?
あぁ、あの時、一緒だったのは、一体誰だったんだっけ?
あの人とあの話をしたのは、どこだったんだっけ?
繰り返し蘇る鮮明な記憶のすき間に埋もれている、
思いがけない記憶を掘り当てたときの、
驚きとも喜びともつかない感覚は格別なもの。
日本を、世界を旅して、
たくさんの人とさまざまな場所、
さまざまなシチュエーションで出会い、語り合い、
共に笑って、共に泣いて、共に憤ってきました。
音楽と、アートと、ことばに彩られた、
特別な人生を生きているという実感は、
年を重ねるごとに強くなる一方です。
そしておそらく、
誰にとってもおなじくらい、自分の人生は特別で、
それぞれの出来事と、それぞれの人々に彩られて。
誰もが鮮明に蘇る記憶と、埋もれていく記憶を積み重ねている。
自分自身の人生を特別で、素晴らしい、
感謝に満ちあふれたものと感じられる人を、
おそらく「幸福」というのでしょう。
今、このとき、できることを、
最大の力で振り切ってやる。
一瞬一瞬を大切に、大切に生きる。
人間にできることって、それしかないのではないか。
そんなことを考えてしまう一日でした。
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