歌は1人で歌うものではなく、チームプレー
「歌は1人で歌うものではなく、チームプレー」
今日、週末に大きなライブをひかえたスターダストのアイドルグループ、
M!LKのゲネプロを見ながら、そんなことを考えていました。
シンガーたちのステージが大きくなるにしたがって、
関わるスタッフもどんどん増えていきます。
曲を書いてくれる作曲家、作詞家がいて、アレンジャーがいて、
演奏をしてくれるミュージシャンがいて、
ダンスの振り付けをしてくれる振り付け師がいて、
歌いやすいようにステージ上の音をつくってくれたり、
いい声、いい音をお客さんに届けてくれたりする音響スタッフがいて、
衣装担当、メイク担当がいて、写真を撮るカメラマンがいて、デザイナーがいて、
マネージメント、プロデュース、ディレクション、
宣伝などなどをしてくれるスタッフがいて、(すべて敬称略)
そしてなにより、自分たちを見に来てくれる、
支えてくれるお客さんがいて。
それらすべての人たちの心がひとつになることで、
ときに化学反応が起き、驚くような音楽が生まれたり、
めざましい結果が出たりするのです。
まさにチームプレ−。
そのことを忘れてはいけない。
どれだけ有名になっても、成功しても、
シンガーたちは、それだけは忘れてはいけない。
チームプレーの中心にいるからには、責任も孤独もあります。
甘えてはいけない。好き放題やっていいわけもない。
いつもチームを引っ張っていくだけのエネルギーと魅力を持ち続けなくてはいけない。
しかし一方で、すべてを一身に背負いこむ必要などないのだということも、
忘れないでいて欲しいと思います。
なんだか歌いにくい、うまく歌えないと思ったら、
アレンジをチェックしてみたり、
共に演奏するミュージシャンに相談したり、
音響やモニターを点検したりすることも必要でしょう。
それぞれがそれぞれの役目を果たすインディペンダントでありながら、
ひとつのチームとして結果を出していく。
まさにチームスポーツ、チームプレーです。
これは、ステージの大きさには関係ありません。
人前で歌う人は、多かれ少なかれ、このチームプレーをしています。
「たった1人で歌っている」と言い切っていいのは、
部屋を閉め切って、こっそり歌う鼻歌くらいです。
ステージの中央でひとり、スポットライトの中に立ち、
オーディエンスの視線を一身に浴びる、孤独なシンガーたち。
しかし、そこに立てている意味に感謝し、
自分自身の役割と責任をしっかりと果たしていく覚悟こそが、
どんどん成長し続ける秘訣。
心に刻んでおきたい、大切なことです。
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