大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「君、あんなもんでいいの?判断基準甘くない?」

   

「ま、君は、リズム、もうちょっとシビアにがんばった方がいいね」

 

15年以上前こと。

とあるプロデューサー氏と、
作品を制作しようと話し合っていたとき、
いきなり、そう言われました。

 

いやいやいやいや。
ちょっと待ってくださいよ。

私、こう見えても、どんな現場行っても、
「リズムいいね〜」「いいグルーブ出してるね〜」で通ってるんで。

一応、歌の、プロ中のプロを自負してるんで・・・

 

カチンときて、まぁ、そこまでは言わないまでも、
ちょっと言い返した私に、その人が言ったことば。

 

「君、あんなもんでいいの?判断基準甘くない?」

 

「日本人はリズムもグルーブも甘い。
君レベルでリズムがいいって言うのは、みんなわかってない証拠でしょ?」

 

カッチ〜ン。

心の中で、大きな音がしたのが相手に聞こえたかどうか。。。

 

「スティーブン・タイラー知ってる?
リズムいい歌ってのは、ああいうレベルのこと言うんだよ。
彼はドラマーだったからね。

今のレベルで満足してたら、世界レベルでは絶対勝負できないね。」

 

 

学生時代から、歌を極めようと、必死に必死に歌ってきて、

たくさんのミュージシャンと、何十曲もデモを制作しながら、
修行に修行を重ね。

やっとの思いで、プロの仲間入りをしたと思えたら、
それまでの自分の修行は、まだまだ、
ほんの入口だったと思い知らされ。

 

そこからまたまた、プロの世界で、
どろどろになりながら修行を積んで。
やーっとこさ、どこで歌っても、それなりに、
いい気になれる評価をいただけるようになったと油断していた矢先でした。

 

 

人には、その時々の自分のステージに見合ったメンターが現れます。

駆け出しの私がスティーブン・タイラーの名前を出されても、
もちろん、なにがいいのか、自分とどう違うのか、
さっぱりわからなかったでしょう。

もっと言えば、そのプロデューサー氏と、
一緒に制作をしようなんて話になるどころか、
出会うこともなかったでしょうし、

万が一、どこかでそうなっていたとしても、
彼が私にスティーブン・タイラーの名前を出すようなことも、なかったかもしれません。

 

 

自分のステージが上がったら、人脈も変わる。
当然、判断基準も上がる。

そこで、また試されるわけです。
周囲の人が自分を誉めてしかくれなくなったら、
ステージをちゃんと上がれていない証拠。

試されて、逃げ出したくなったら、そこでゲームオーバー。

 

 

神様は、乗り越えられない試練は与えないそうですから、
逃げ出したら負けなんですね。きっと。

 

 

 

売られたケンカは買う。

買ったケンカは絶対勝つ。

 

まだまだ成長したいなら、
常に自分よりも判断基準が上の人と付き合うこと。

 

神様がなかなかOK出してくれないのは、
まだまだ自分に伸びしろがある証拠なんですよね。

36691448 - musical concept with woman and mic

【Day-to-day】

第2期MTL12のDay2が終了しました。
歌を真剣に学びたい人ばかりのこのセミナー、みなさん本当にポテンシャルが高くて、
思わず、私の要求も高く、フィードバックもキツくなります。
そして、要求が高いほど、フィーバーするみなさん(^^)
後4回。ますます盛り上がります。

IMG_5917

 - The プロフェッショナル, イケてないシリーズ

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「リハーサルって何回くらいやるんですか?」

ライブに来てくれる学生たちによく聞かれる質問のひとつに、 「リハーサルって何回く …

「今日はノドの調子が悪くて・・・」

誰にだってのどの調子の悪いときというのはあります。 どんなに気をつけていても、あ …

「向いてない」んじゃない、「イケてない」んだ。

「お前、無理してそんな歌、歌うなよ。 お前には似合わないぞ。」 「MISUMIち …

ことばに「自分の匂い」をしみつける

ことばには、話す人の匂いがあります。 同じことを言うのにも、ことばの選び方や言い …

あなたはシンガー?ボーカリスト?

シンガー(Singer/歌手)と ボーカリスト(Vocalist)。 &nbsp …

「観客総立ち」を演出するプロの仕掛け

先日、キャロル・キングのケネディー・センター名誉賞をたたえて、 アレサ・フランク …

「なんでも歌える」と言わない勇気

「どんなの歌ってるんですか?」 どんなちっちゃなご縁も仕事に繋げようと躍起になっ …

イケてないロック・ヴォーカルは、なぜイケてないのか?

イケてないロック・ヴォーカルって、一体全体どこがイケてないんでしょう? &nbs …

ビジョンとチームワークが作品力になる。

お城や寺院、教会などのような歴史的建築物や、 アイディアとエンタテインメントが詰 …

歌が劇的にうまくなる必勝練習法

昨年から育成に携わっていた新人アーティストたちが、先日レコーディングを終えたと、 …