『ライブ前に自分に問うべき10のことば』
ライブ直前、自分のブログを読み返していると、
なんだか胃が痛いような気持ちになります。
「人間は自分の発言に責任を持つべきである」と言ったのは、確かに私。
たとえ、展開しているのが一般論であり、
自分への戒めのことばのつもりであっても、
やはり、それなりの影響力を持って世間にことばを発するからには、
行動がともなわなければならないわけです。
あぁ、何言っちゃってきた?私・・・?
今日は、そんな自分への確認を込めて。
『ライブ前に自分に問うべき10のことば』を、
これまで書いてきたブログのタイトルをヒントに組み立ててみました。
みなさんも、胃の痛みをしんしんと感じながら、
一緒に確認してみてくださいね。
1.「お前はベストを尽くしたか?」
こんなもんでいいかと、適当に手を抜いていないか?
手を抜けば、そのレベルに自分のスタンダードが下がる。
そうやって、人のグレードは落ちてゆく。
細部までこだわって、きっちり練習できたのか?
完璧な準備こそが、オーディエンスに対して見せられる最大の誠意なのではなかったか。
2.「クエスチョンマークはすべて排除したか?」
曖昧な音や歌詞はないか?
曲の構成はばっちり理解できているか?
クエスチョンマークは自分の口から飛び出してオーディエンスに伝わるものだと、
どこかのブログに書いてなかったか?
3.「テクノロジーを最大限に活用して、完璧に準備できたか?」
録音して練習したか?
リハの音は確認したか?
名演と言われる、先人のパフォーマンスをチェックしたか?
ハマリがうまくいかないなら、スロープレイヤーや、
マルチレコーダーを活用して練習したか?
忙しさにかまけて、準備に抜かりがあるんじゃないか?
4.「歌詞は完璧か?」
「歌詞を覚えました」という段階は、スタートラインにすぎない。
あたかも、今、自分の心からあふれたことばのような新鮮さをもって、
語るように歌う事ができるか?
「なんとかなるさ」と、毎回ごまかして歌ってしまう歌詞はないのか?
5.「曲を本当に理解しているか?」
聴かせどころ、美味しいところはどこだ?
その曲の表現で最も重要なポイントはなんだ?
グルーブは理解できているのか?
最高に気持ちのいいグルーブ表現ができているのか?
メニューに対する、パフォーマンスの仕掛けはきちんとできているのか?
6.「難しい歌もきちんと消化し、自分のものにして、自然に歌えているのか?」
人はテクニックでは感動しない。
うまそうに歌うくらいなら、歌わない方がマシだ。
人からお金を取って歌うなら、「うまい」のは当たり前なんだ。
7.「バンドとのコミュニケーションは万全か?」
妥協や惰性でメニューやキー、構成を決めていないか?
お互い納得の上、キーや構成を決められたか?
楽器の音をちゃんと聴けているか?
プレイヤーの音にきちんと反応できているか?
今、この瞬間、楽器が何を演奏しているのかを知っているのか?
8.「お客さんが何をくれるかではなく、お客さんに何を与えるのかを
見極められているか?」
賞賛が欲しいなら、それ以上のものを与えられなくてはいけない。
歌は誰にだって歌えるものだから、お金を払って聴く価値のあるもの、
お金を払ってあまりあるものにまで高めるのが、パフォーマーの責任であり、約束だ。
9.「曲との関係性をしっかりつくれているか?」
その曲を自分が歌う意味はなんだ?
なぜ、どうして、なんのために、誰のために歌うのだ?
その曲と自分との間にはどんな関係性があるのか?
全身全霊で表現するためには、歌に魂が宿らなくてはならないのだ。
それこそが、自分自身のアイデンティテイであるはずだ。
10.「衣装や機材の準備は完璧か?」
「人に見られたい」自分を演出できるのか?
その瞬間、人が夢中になれる「イリュージョン」をつくれるのか?
鏡に向かって、「OK!」とサインを送れるか?
いかがでしょう?
胃がしくしくと痛むどころか、プレッシャーで押しつぶされそうに・・・
なんて、なってないでしょうか・・・?(私か?)
もちろん、1回1回のライブですべてを完璧にクリアできるはずもありませんが・・・
一歩ずつ、ひとつずつ。
ひとつひとつのライブを一期一会と心得て、進むのです。
Good Luck…to you and me.

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