プロフィールって、どうしてます?
先日、作家の中谷彰宏さんのプロフィールを見ていたら、
なぜかご著書のことがどこにも書かれていない。
おや、と思って、タブを見ると、
ご著書は、ありすぎてプロフィールに入りきらないからでしょう、
別のコーナーにずら〜っと並んでいました。
最早、ひとりAmazon・・・
こんな風に見やすく自分の経歴や作品をリスト化するというのは、
できそうで、なかなか真似できません。
自分の経歴をたどるのって、まず、ものすごく大変な上に、
なんか、勲章ならべて悦にいっていると思われるんじゃないかと、
心的ブレーキがかかるのも事実。
昭和の叩き上げ系ミュージシャンってのは、
武士は食わねど、みたいなところがありました。
自分で自分のことを売り込むのは「売れてません」って宣伝するようなもんだ、とか、
名刺持つのなんて、いかにも無名でございって証拠みたいなもんでダサい、
あのテレビに出たとか、この有名人と仕事したなんてのは、プロなんだから当たり前。
なんでもかんでも言いたがるのは、たいして仕事してないからでしょ…などなど、
一流の美学かのように囁かれていました。
だからというだけではないでしょうが、
諸先輩ミュージシャンのプロフィールをのぞいて見ると、
びっくりするほどあっさりしたことしか書いてない。
●●バンドでデビュー、
レコーディングに参加したアーティストは・・・って数名。
で、「他」って書いてある。
「他」は、たぶん、100単位なのに、です。
しかし、中堅、若手世代のミュージシャンは実に軽やかです。
今日は●●スタジオでxxさんのレコーディングでした。とか、
△△のツアーで、北海道に来ています。とか、
そんなことをSNSでさらっと発信して、
プロフィールにも細かく仕事歴を書き込んで、
がんがん注目を集めて…、いやー、スマートなんです。
確かに、これだけの情報化社会になると、
仕事をしようと思った相手が、
ネット上になんにも情報がない、出てきてもわずかとなると、
ちょっと不安になってしまうのも事実。
時代が変われば流儀が変わるんですな。
私自身、10年ほど前に著者の講座で、
「参加した作品や関わった仕事をすべてリスト化、
数値化してプロフィールをつくれ」
という指令が来た時は、正直、頭を抱えました。
CDや、過去の手帳、日記、古い請求書なんかをひっくり返して、
たいそうな時間がかかりましたし、
まぁ、嬉しそうに見えるんじゃないかと、勇気もいりました。
しかしね。
並べて見ると、自分の辿ってきた道がくっきり見える。
自分という人間の傾向もわかるし、
いろんな顔が思い出されて、感謝も湧いてくる。
なかなかスマートなリストにはならないし、
全部見る人なんていないだろうけど、
自分史的に振り返るだけでも、非常に意味深い作業になりました。
で、若者たちに言いたい。
後からまとめてやるの、めっちゃ大変だから、
今のうちからマメにリストにしておくんですよ。
諸先輩方には、先輩方の参加作品がリスト化されていたら、
若い世代がその名プレイの軌跡をたどれるに違いなくって、
みなさんの名演、並べて聞きたいって思ってる人はいっぱいいるんですよって、
ちっちゃな声でお願いしたい。
「お前、わかってねぇな」って言われても、
そろそろ怖くないお年頃です。先輩!
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