「センス」は左脳から学べ!
「なんでそう聞こえるかなぁ?」
プロを目指して修行に励んでいた頃から、
駆け出しのなんちゃってプロ・ミュージシャンだった頃まで、
こんなことばを頻繁に言われました。
「え?もう一回聞いてごらん。なんでわかんないの?」
「君、音痴だね」
「グルーヴ、感じらんないんだなぁ。。」
どのことばも、まるっと「センスないね」と言われているようなもの。
ヘタと言われるより、声が出てないと言われるより、うんと堪えました。
これね。
英語に例えるとわかりやすい。
「発音悪いね」って言われれば、発音の勉強ができます。
「単語知らないね」って言われれば、単語を覚えればいい。
でもね、
聞き取れないことばは、何回聞いても聞き取れないし、
よかれと思って発音してるのに、
「そんな風に聞こえるの?」って言われても返す言葉がないし、
「帰国子女じゃないから、無理だよね」ってまとめられれば、
もう、「ごめんなさい」としか言えない。
そんな感じです。
しかしね。
「センス」は左脳から学べます。
リズムにもグルーヴにも、メロディの奏で方にすら、
ある種の法則があって、
可視化できるし、数値化できる。
カラダをつかって、視覚情報を利用して、
耳のフォーカスを整え、研ぎ澄ましていくことで、
それまで、ただただこぼれ落ちてしまっていた音楽的な情報に、
どんどん気づけるようになる。
カウントを口ずさみながら、何度も何度も音源を聴いたり、
譜面にならないような細かい音を、全部記号化してみたり、
アザになるほどヒザを叩きながら歌ってみたり、
マルチトラック録音を繰り返したり、
チューナーやキーボードをつかったり、
音楽ソフトをつかったりと、
数え切れない実験と実体験を繰り返すことで、
そんな法則を、たくさん発見してきました。
やがて業界で、歌の評判が上がるほどに、
自分自身の方法論に確信を持つに至ったのでした。
「センス」ということばに、翻弄されないことです。
感覚は左脳から学べる。
頭をつかって、科学的にガシガシ切り込んでいけば、
そんじょそこらの「センスのある人」より、
圧倒的に精度の高い歌が歌えるようになる。
信じること。
あきらめないこと。
挑戦し続けること。
最後に勝つのは、カメさんチームなんですのよ。

■6日間全12ユニットで、 ヴォーカリストに必要な基礎トレーニングをすべて学べるMTLヴォイス&ヴォーカルトレーニング12。3月開講。
関連記事
-
-
批評家目線を捨てる
「Aさんって、うまいんですか?」 生徒の口からは、いわゆる本格派といわれる歌手で …
-
-
理屈は後付け。
先日の『イケてないロック・ヴォーカルは、なぜイケてないのか?』、 たくさんの方に …
-
-
プロフェッショナルの歌は、「リズム」が違う!
プロフェッショナルと、一般の人の歌の、何が違うと言われたら、筆頭にあげるのは、間 …
-
-
歌の練習がきっちりできる人の5つの特徴
「練習しなくちゃと思ってたんですけど、なかなか・・・」 状況にもよ …
-
-
本気でやりたいなら、「なんか」やれ。
アーティストやタレント、声優の、 新人育成を担当させていただく機会が多々あります …
-
-
カバー曲の歌唱にオリジナリティをプラスする3つの方法
「オリジナリティ」と「クセ」は紙一重です。 「オリジナリティあふれ …
-
-
緊張に打ち克つ。
多くの人に相談される悩みのひとつに、 「人前に出ると緊張してしまって、声が出なく …
-
-
「この歌、いいなぁ」には必ず理由がある!
「売れる曲には、必ず理由がある」 あるヒットメーカーが教えてくれたことばです。 …
-
-
「やる気はあるのにできない症候群」の処方箋
「練習しなくちゃいけないってわかってるでしょ? やらないと、できなかった自分に落 …
-
-
練習の成果は「ある日突然」やってくる
はじめて「上のF」が地声で出た瞬間を、 今でも鮮明に覚えています。 学生時代は、 …
- PREV
- 「モノマネ」で終わっちゃうからいかんのだ。
- NEXT
- プロフィールって、どうしてます?
