リズムが悪いのは「背骨が硬い」から?
音楽学校などでバンド・アンサンブルの指導をしていると、
一所懸命演奏する若者たちの動きに、
なんだか、どうにも違和感を感じるときがあります。
硬いなぁ・・・
極端に言うと、楽器を演奏している腕しか動いていない。
多少クビを動かしている子もいますが、
その動きも、なんだか硬い。。。
そう思いはじめて、よくよく観察してみると、
楽器を直接弾いている、叩いているカラダの部位、
例えば、腕、指、足以外の、
つまり、「体幹」がガチッとかたまっているかのようです。
リズムは脊椎で感じるもの。
私は、このように提唱しています。
リズムの感じ方に関しては諸説あって、
腰だよ、という人もいれば、いやいや胸郭なんですよ、という人も、
首です!と断言する人もいます。
ちょっと考えてみてください。
腰とか背中とか首とか・・・いろいろな名前で呼ばれているけれど、
全部まるっと脊椎。
胸郭も、その脊椎にぶら下がっている部品のひとつです。
ライオンもイルカも犬も猫も・・・
脊椎動物と呼ばれる動物たちはみな、
背骨、脊椎でリズムを取って歩いたり、走ったり、泳いだりしている。
リズムは脊椎、なのです。
さて、
どうにもカラダの動きの硬い、リズムも硬い若者たちには、
共通のポイントがあります。
1.姿勢が悪い
日常の姿勢が悪く、背中が丸い、首が前に出ている、肩が上がっている・・・
人間のカラダは形状を記憶するそうです。
悪い姿勢で生活していれば、その形を脳が覚えます。
体幹に不要な、悪い緊張をつくったまま、カラダが固定されてしまうのです。
2.腰が硬い
なんと、腰を左右に振れないのです。
この事実を発見したときは、本当に驚きました。
「腰振るって、どうやるんですか・・・?」
そんな完全にカラダが硬化している人は、まず、腰を回す運動から、
是非、やってみてください。
3.リズムにあわせてカラダを動かせない
ポピュラー音楽は実にフィジカルなもの。
ルーツをたどれば、その多くが、踊るために演奏された音楽です。
リズムとカラダが同調できなければ、
気持ちいい演奏ができるわけもありません。
ノドや腕や足は、それだけで単独で存在しているものではないのです。
いかがでしょうか?
心当たり、ありませんか?
ちょっとでも、自分ってダウト?と思ったら、
今日から、踊りをはじめましょう。
別に、頭でくるくる回れるようになれとか、
足を180度開脚できるようになれとか、言っているわけではありません。
ステップを踏む。
カラダを音楽に乗せて動かす。
これだけです。
ダンスレッスンにまで通わなくても、
カッコよくステップを踏んでいる人たちの映像などを参考に、
鏡の前で、ちょっとずつカラダを動かすだけでも違ってくるはずです。
音楽とカラダが同調できるようになれば、
歌も演奏も、もっともっと楽しく、気持ちよく感じられるはずですよ。
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