「とにかくやる」
「やりたくないときほど練習をすると、やってよかったと思えるわよ」
学生時代通ったジャズダンスのインストラクターさんのことばです。
確かに、カラダが重くて一歩も歩きたくないときほど、足を引きずってでも、ジムで汗を流したりジョギングしたりすると半端ない爽快感を体験できるもの。
もう今日は書くのなんか無理!と思っても、
パソコンの前に座ってキーボードを叩きはじめるとことばがどっとあふれて、時に我ながらびっくりするくらいイケてる文章が書けることもあります。
そういえば、レッスン前に仕方なく練習をはじめたら楽しくなって、肝心のピアノのレッスンに遅刻した、なんてこともあったっけ。
歌も同じです。
なんだか疲れているし、気持ちが乗らないし、
でも練習しなくちゃ。。。と無理くり歌いはじめるのだけど、なんだか気持ちよくなって、気がついたら何時間も歌っている、なんてこともよくあります。
しかし、これらすべては、「ある程度以上、コツを体得してから」のお話。
ダンスのステップを踏むのも最初は半端ない集中力がいるし、
カラダと心を支える筋力がいります。
普段文章を書かないような人が、いきなりパソコンの前に座ってもそう簡単にことばは出てこないでしょうし、文章はまとまらない。
やりたくないようなときにできることではありません。
ピアノを弾くのも、譜面を読むのも、初心者にはものすごい集中力がいるもの。譜面を見て自動的に指が動くくらいにならないと、なかなか、「やりたくない」が「気持ちいい」にまではいかないものです。
歌だって、何時間も歌えるのは、ある程度発声や歌い方が無意識レベルに身についているから。ノドや声にストレスを感じているレベルでは、そうそう何時間も歌えません。
だから、初心者に大切なのは・・・
「やりたい」という気持ちを絶やさないこと。
「やらなくちゃ」という状況をつくり出すこと。
「やると決めたことだから、とりあえずやる」システムをつくること。
とにかくやる。
やり続けることで、やがて努力なしにやれるようになる。
やりたくなくても、自然にできるようになる。
どんなことでも、一度、上昇気流に乗ってしまえば、どんどん上達します。
それまでは、ただひたすら、匍匐前進なのです。
関連記事
-
-
記憶に残る「デキるやつら」は一体何が違ったのか?
かつて、教えていた音楽学校では、ヴォーカルの授業を 定期的にインスト科の生徒たち …
-
-
センスは鍛えられる!フォーカスで変わる“聴こえ方”と“見え方”
目の前にドラムを叩いている人がいます。 あなたは、どこに意識が向きますか? ドラ …
-
-
ボイストレーナーなんかいらない自分になる。
『ダイジェスト版MTL voice&vocal オープンレッスン12』が …
-
-
自分の「サイズ」に合った声を出す
管楽器ほど、 一目見ただけで音色の想像がつく楽器もないでしょう。 大きさ通り、見 …
-
-
うまくなる人。ダメな人。
「歌は、誰だってうまくなる。」 20年にわたるヴォーカル・トレーニングを通じて確 …
-
-
「出会い」を求めるなら、手間暇お金を惜しまない!
「僕、どんなの聴いたらいいんでしょう?」 学生から、時々、こんな謎の質問を受けま …
-
-
結果が出るまで、やる。~SInger’s Tips #14~
高い声が定着しない。 声量がいまひとつ上がらない。 ピッチがなかなか安定しない。 …
-
-
伸び悩んだらやるべき3つのこと
長い音楽人生。 「伸び悩む時期」は何度も訪れます。 技術の伸び悩み。 キャリアの …
-
-
ピッチの悪い歌が致命的な理由
音楽はピッチ(音の高さ)という概念があるから成立するもの。 どんなにリズム感がよ …
-
-
歌が劇的にうまくなる必勝練習法
昨年から育成に携わっていた新人アーティストたちが、先日レコーディングを終えたと、 …

