大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

歌の練習で絶対にはずせない3つのポイント

   

連日、ご好評をいただいてます、『デモをつくろうシリーズ』
今日は6回目です。

 

曲は決まった。
音源もちゃんとお金払って買った。
もちろん、何度もじっくり聞いた。

 

さて、いざ練習!

・・・・って・・・どうやればいいんですか・・・?

 

 

ただひたすら、音源にあわせて歌う?

カラオケで歌いまくる?

弾き語りで練習する?

 

それぞれ、状況によって、練習方法は違うでしょう。

しかし、どんな練習方法でやるにしても、
絶対にはずせないポイントがあります。
というわけで、今日は、
『歌の練習で絶対にはずせない3つのポイント』を!

 

1.自分の歌を客観的に聞き、細部までチェックする。

 

ヴォーカリストほど演奏中、
客観的に自分の音を聞けない楽器はありません。

外部から聞こえてくる声と、カラダの中で鳴っている声を、
同時に聞かざるを得ないことも理由のひとつでしょう。

また、ヴォーカルが入っている音源に合わせて練習する場合、
オリジナルのヴォーカリストの歌までも一緒に聞こえるわけですから、
さらにジャッジが甘くなります。
だからこそ、ある程度、勘どころがつかめるまでは、
繰り返し録音して、練習する必要があるのです。

 

自分の声だけをオンリーでチェックできるように、
マルチでレコーディングをする、

スマホなどのマイク部分を自分の口に近づけて歌って、
その音源だけをチェックする・・・などなど、
いろいろ工夫してみましょう。

 

2. テンポを落として練習する。

 

「ゆっくりやってもできないことは、早くやったらなおさらできない」が私の持論です。

 

今の時代、さまざまなアプリやソフトが出ていますから、
オケや音源のテンポを変えることなどお茶の子さいさいです。

 

「できているつもり」で最も多いのが、
テンポが速すぎて、または、音符が細かすぎて、
自分ができていないことに気づけないこと。

 

耳やノドのチェック機構が追いついていなくて、
「歌えているつもり」になってしまうのです。

 

 

1音1音はっきりと、丁寧に、くっきりと、
音がヨレないように歌えるかどうか。

超スローテンポの練習は、
カラオケでも、音源でも、もちろん、弾き語りでも
非常に重要で、しかも効果の高いものです。

 

 

3.アカペラで練習する。
音源も、カラオケも、楽器の演奏もやめて、
声素っ裸状態で、録音しながら歌ってみましょう。
歌うこと1点に集中し、
カラダの感覚と音感を磨く、最高の練習です。

 

歌い終わったら、まずはピアノで1音1音のピッチをチェック。

たいがいは、どっひゃーというくらい外れているものです。

どんどん転調してしまう人もいます。

音の幅がぐちゃぐちゃという人もいます。

 

「誰でもそうでしょ?」
というのは、大間違い。

この感覚を磨けないと、
ず〜っとピッチの不安定さに苦しむことになります。

 

さらには、楽器なしでもその曲のグルーヴを表現できているか?

うまい歌手は、アカペラで歌っても、
その曲のオケのグルーヴが感じられるものです。

 

ここまでやれたら、かなりな実力ですね。

 

 

いかがでしょう?

3.は特にハードルが高いと思いますが、
心してチャレンジして、がっつり歌の精度をアップしてくださいね。

 

2673693 - femal musician sings while playing digital piano

 - 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, デモをつくろう!

Comment

  1. じーえす より:

    初めてコメントさせて頂きます。
    僕は今までブログに興味がなかったのですが、水澄さんのこの記事に出会ってブログってすごい良いなって初めて思える事ができました。ありがとうございます。僕も歌が好きなので水澄さんのおっしゃる事を参考に、歌の練習をしていきます!

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「曖昧なこと」「わからないこと」を放置しない

歌や楽器の上達のために必要不可欠なことは、 「曖昧なこと、わからないことを排除し …

「自分のことば」になってない歌詞は歌えない!

役者さんがしばしばつかうことばに「セリフを入れる」というのがあります。 この「入 …

A rock singer performing with powerful voice — Rock Voice Grows Through Experience, Not Knowledge.
ロックな声は、“知識”じゃなく“体感”で育てる

ロックと言えば、バッキーンと突き抜ける高音。 そして、ハスキーボイス。 昨今、さ …

「Fが難しくて弾けない」って理由でギター、やめる〜?

昨日、某大手プロダクションのお偉い方との会話。   M「最近、ギター科 …

ちゃんと鳴らす!

ヴォーカルのテクニックのひとつに、 「息混じりに歌う」というのがあります。 基本 …

「軸の弱さ」をなんとかする。~Singer’s Tips #13~

高い声を出すとき、どうしても上を向いてしまう。 大きな声を出す時は、なぜかクビが …

歌うときのオケ、どうしてます?

さて、ある程度練習が進んだら、 オケに乗せて、自分の歌を録音してみたいもの。 & …

理屈は後付け。

先日の『イケてないロック・ヴォーカルは、なぜイケてないのか?』、 たくさんの方に …

「最後に頼りになるのは自分の耳!」って、言いたい。

世の中には、耳のいい人というのはいるものです。   バンドがどんがらが …

「歌の表現力」ってなんだ?

表現力と言うことばを聞いたことがあるでしょうか?   「彼はテクニック …