がんばれないのは「ご褒美設定」がうまく行っていないから。
2016/06/14
誰だって、がんばってもがんばっても、なんのご褒美のない、
不毛な努力はできないもの。
勉強しろ〜、勉強しろ〜、って言われても、がんばれないのは、
勉強して、100点取って、成績上がって・・・で・・・?の先が見えないから。
「100点取ったら、10000円お小遣いやるよ」といわれれば、
くっきりと、その10000円で、今欲しくてたまらないものが手に入るのが見える。
だからがんばれる。
人って、基本、まぁ、そういう、キャッシュなもんじゃないかなぁ。。。
ただ、ご褒美と感じるものが、みんな少しずつ違うだけ。
練習がんばれないとか、勉強がんばれないとかいう人は、
その、自分にとってのご褒美設定がうまくいっていないのです。
だから、「俺って、努力のできない人間だから」・・・とかって落ち込む前に、
「自分のご褒美ってなんだろう?」と、今一度胸に手をあてて考えてみましょう。
例えば・・・
歌の練習をする。
ピッチがよくなる。リズムがよくなる。
これでは、冒頭の例と同じです。
「100点とる」に意味を感じない人には、そんなのご褒美でもなんでもありません。
もちろん、
ピッチがよくなる→快感物質分泌
リズムがよくなる→快感物質分泌〜
という(私のような)マニアックな快感人間もいますが、それは一握り。
歌がうまくなる。
先生に誉められる。
成績が上がる。。。
そもそも、先生に誉められたくらいで快感物質がびしばし分泌されるような人なら、
こんな記事を読む前に、やっぱり練習してますね。
よほど、先生が美人とか、ハンサムとか、
あこがれの著名なミュージシャンで、超尊敬しているとか。。。
そういったシチュエーションじゃない限り、これでも、まだご褒美にはなりません。
たいがいの人は、その程度ではドーパミンは出ないんです。
では、あなたの快楽物質はどんなときに、
あなたをいい気分に、幸福にさせてくれるのでしょう?
自分の歌を聴いた誰かが、笑顔になってくれたらいいのか?
彼氏や彼女が感動して、涙ぐんでくれたら幸せなのか?
いやいや、そんなもんじゃ・・・というなら、
それは、ライブをやって、人の注目を浴びたとき?
自分の歌で満場の人たちが感動して、拍手喝采をしてくれたとき?
拍手喝采をくれる人は、何人くらい必要?
その人数は、毎回少しずつ増えている?それとも、たとえ2〜3人でも幸せ?
この時点で、自分が「いい気分になる」というご褒美を手に入れるために必要なことは、
単に「歌がうまくなる」じゃなくなっています。
要素が複合的になり、さらにハードルが上がっているわけです。
ライブをやって、100人〜200人以上の人に拍手喝采を浴びる。
このハードルを越え、快楽を得るには、
歌の練習をするだけでは、とうてい不十分です。
ライブに出る。もしくは主催する。
お客さん、ファンを最低100〜200人集める。
いいメンバーを集める。
いい曲を選ぶ、もしくは書く。
充分にリハーサルをする・・・etc.etc…
ひとつひとつではとうてい快楽物質の出ないような、
こうした地味な作業の積み重ねがないと、究極の「ご褒美」に到達できないわけです。
しかし、ご褒美を受け取れるまで、あまりに長くて気が遠くなるような作業だと、
人はやっぱり心が折れる。
多くの受験生が、秋ぐらいまでエンジンかけられず、
受験に失敗してしまうのもこうした理由でしょうか。
どんなに富士山頂が気持ちがいいとわかっていても、
10数時間にもおよぶ努力歩行は考えただけで気が重くなるのと同じです。
そんな人は、とにもかくにも、小さなご褒美を設定すること。
たとえば、2〜3曲だけ歌う、仲間との気楽な発表会を企画するとか、
1曲だけでも、気持ちよく歌えたら、誉め上手なお友達とカラオケに行ってみるとか。
思い切って、プロモビデオばりに創り上げて、「歌ってみた」に投稿するとか。。
そんな、小さいご褒美をうまく設定できれば、少しずつ本命の大きなご褒美に近づける。
一度、大きなご褒美をもらってしまえばしめたものです。
人は、そうした、成功体験による快楽を忘れません。
次からは小さいご褒美などに目もくれず、
一直線に大きなご褒美に向かってダッシュできるようになるはずです。
いかがでしょうか?
「どうにもがんばれない。」という人は、是非、「ご褒美設定」、見直してみてくださいね。
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