「曲を知らなければ演奏できない」
「曲を知らなければ演奏できない」
当たり前のことのようですが、
この当たり前が、全然できていないプレイヤーの卵たちが実にたくさんいます。
たとえば課題曲を与えられると、
自分のパートを覚えることに必死で、曲全体は二の次。
メロディさえちゃんと知らないまま、とりあえずそつなく演奏して、
ま、こんなもんですよね、という顔をしている。
自分たちが好きで演奏している曲も、
どの程度理解して演奏しているのか、疑問が湧いてしまうくらいです。
そんなメロディを知らないプレイヤーが、
先日書いたような、オケを聴かないヴォーカリストたちと相まって、
「アンサンブル」をやろうというのですから、かみ合うわけもありません。
歌もののアレンジは、通常、
いかにその歌のグルーヴやメロディを引き立たせるかにフォーカスして
組み立てられているもの。
アレンジを細部まで理解するのはもちろん大事ですが、
歌をきちんと知ることは、演奏する上での、そもそもの大前提なのです。
曲に対する理解力が、
プレイヤーの力そのものといっても過言ではありません。
優れたプレイヤーと演奏すると、プレイの中で、また会話の中で、
こちらが、反対に歌のことを教えてもらうことが多々あります。
アレンジの中の歌のあり方、
曲全体の意図、
楽曲にまつわるさまざまなうんちく・・・etc.etc.
「こんなこともわからないで歌っているの?」
「わかってないなぁ・・・」
などと言われると、ちょっぴり反省しながらも、
なんだかすごいプレイヤーと演奏させてもらっているんだなぁと、
ワクワクしたりするものです。
演奏の練習を始める前に、
まず曲を聴く。しっかり聴く。しつこく聴く。
メロディを覚える。一緒に歌えるくらいまで聞き込む。
楽器を持つのはそれからです。
プレイヤーとして頭ひとつ抜けたいなら、まずはそんな努力から。
聴けば聴くほど新しい発見があって、
びっくりするほど、演奏に深みが出るはずですよ。
以前投稿して、アクセス27000以上いただいた、こちらの記事も参考にどうぞ↓
『楽器を聞かないボーカリスト vs. 歌を聴かないプレイヤー』
関連記事
-
-
条件が不利な人ほど、熱意がある
優秀なボイストレーナーのレッスンに通い、 思う存分自主練習を積み、めきめき上達す …
-
-
歌詞が覚えられないのは、意味をわかっていないから。
「歌詞って、覚えられないんですよね。 どうしても、カンペ貼っちゃうんですよ。」 …
-
-
中途半端なメソッドで教えない。学ばない。
メソッドには3種類あります。 ひとつは教え手自身が、複数の学校で、または専門家か …
-
-
人は、エネルギーに魅了されるのだ!
「音楽はエネルギー」 そんな風に考えています。 &n …
-
-
「マスターベーション」とか言うな!
歌は音程のついたことば。 テクニックがどんなにすぐれていても、どんなに巧みな音楽 …
-
-
英語の歌詞って、どうやって覚えるの?
「歌詞を覚える」というのは、ある種の習慣です。 何を当たり前と思うか、という気構 …
-
-
聞いてるつもり。できてるつもり。がんばってるつもり。
「え?ホントにそんな風に聞こえるの? なんでそんな風に聞こえるかなぁ・・・・」 …
-
-
学ぶ姿勢
誰かから何かを学ぶときは、 ひととき自我のスイッチを切り、 その人の言うことを、 …
-
-
自意識の暴走を屈服させる
ボーカリストも、ミュージシャンも、役者も、ダンサーも、 おそらくはパフォーマーと …
-
-
「歌われているように書く」で英語の歌は劇的にうまくなる
ちょっと怪しいタイトルですが、 今日はタイトルだけ読んでいただければいいくらい、 …
- PREV
- アイドルは一日にして成らず
- NEXT
- 「火事場の馬鹿力」を操る!?