中途半端なメソッドで教えない。学ばない。
メソッドには3種類あります。
ひとつは教え手自身が、複数の学校で、または専門家から教わったり、書籍を紐解いたりしながら組み立てた、いわば、「学びの結晶型」。
学校などでの授業がこれにあたります。
先人の叡智が体系的に盛り込まれた重厚な内容で、教えがい、学びがいがあります。
一方で、知識や理論が網羅されがちで、学び手は具体的に何をしたらいいか迷いがち。
教え手が自らの経験や成功体験を盛り込みながら指導できないと、机上の空論になる懸念もあります。
2つめは、教え手が自らの経験や試行錯誤から導いた「体感型」。
昔ながらの芸事の”お師匠さん”たちのお稽古はほぼこれ。
「習うより慣れろ」「学びは真似び」と、理論は二の次で自分の歌や芸をただひたすら真似させるスタイルです。
このスタイルで教える人は、その道のプロです。
教え手の芸風や経歴を心から尊敬している、もしくは教え手と感覚的に相性がよいなら、価値ある学びになることは間違いありません。
一方、体系化されていない場合がほとんどなので、学びに時間がかかります。
また、師への依存心が高くなるため、なかなか自立できないという懸念もあります。
3つ目は1つ目と2つ目のハイブリッド。
教え手が自らの経験、体感を、他者の知識や理論などで補完したり、整合性を取ったりして体系化したメソッドで、学び手は、実践と知識理論、両方向から学べるので、理解しやすく、身につけやすい理想的なメソッドと言えます。
ただし、教え手は自らの経験や実力が伴わないと、中途半端な知識を伝えるだけで終わってしまったり、都合のいい理論ばかりを拾って教えがちになったりして、いい結果にはなりません。
ハイブリッドメソッドで教えることを目指すなら、教え手は自分自身の経験や実力を分析し、理論や知識に基づいて、公平な視点で検証しつつ、体系化していく必要があります。
同時に、経験を深め、実力を磨く努力も必要です。
学ぶ人は、今自分が学んでいるのがどのスタイルなのか、自分にとって、今の学び方は向いているのかを、折に触れ考えることも大切です。
教え手を目指すなら、自らがどのスタイルで教えるのが向いているのか、そのために必要なことは何かをしっかり見極めたいもの。
いずれにしても日々の精進は必要不可欠ですね。
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