学ぶ姿勢
誰かから何かを学ぶときは、
ひととき自我のスイッチを切り、
その人の言うことを、
100%受け入れることからはじめる。
そう思える人の指導しか受けるべきではないし、
そのくらい真摯な思い、
必死の想いで学ばなければ、
得られるものを最大化することはできない。
そんな風に考えています。
もちろん、言われたことに疑問を感じたり、
反発したりすることも学びの一部でしょう。
しかし、それらは、
学んだことを一旦全て素直に受け入れて、
きちんと消化してから生まれるものです。
本物のプロフェッショナルというものは、
たった今、ことばにして教えていることの、
何百倍、何千倍もの
知識、経験、アイディアを持っているもの。
引き出せば、引き出すほど、情報は出てきます。
よき学び手は、
教える側の情熱をかき立て、
教える側が予定していた以上の情報を、
どんどん引き出し、吸収していくのです。
ところが、時々、
こちらの話を聞きたいのか、
自分の話をしたいのかわからない人に
出会うことがあります。
あれはやりたくない、
これは自分には向かない、
などと、言い出す人もいれば、
こちらがひと言話すたびに、
「それってこういう意味ですか?」
「あ、でもボクの場合はこうなんですけど。」
と、いちいち、こちらの話を遮って、
質問や意見を差し挟むような人もいます。
もったいないな。
と、心から思います。
話の意味がわからないなら、
まずは持って帰って自分で調べてみるなり、
最後にまとめて質問するなりすればよろしい。
自分の話を聞いてもらいたい人は、
そういうプロに会った方がいい。
教えを乞うている相手の、
言うことを信じられない、
提案することをやりたくない、という人は、
人から何かを学ぶのは無理です。
いえ、それは、
ネガティブなことではありません。
「自分が何をすべきか、
何をすべきじゃないか、わかっている」という人は、
自分で自分に教えるほうが、圧倒的に上達します。
そうやって、
素晴らしいプレイヤーになった人も、
たくさん知っています。
しかし、ね。
本当に、自分で自分に教える能力がある人は、
自信に満ちあふれているもの。
誰かに教えを乞いたいと思うのは、
自信の裏付けが欲しいからではないのか。
誰かに「大丈夫」と、
認めてもらいたいからではないのか。
教師や講師というのは、サービス業ではありません。
音楽学校しかり。お教室しかり。
セミナーやワークショップしかり。
誰かに教えを乞う前に、
今一度、自分自身のマインドセットを、
しっかりと確認しておくことは、
自分自身と教えを乞う相手が、
不幸な時間を過ごさないために、
本当に大切なことなのです。
◆一生に一度、集中的に学ぶだけで、”自分で自分に教えること”を可能にするMTL 12。毎週日曜日10時〜Youtubeにて公開中。
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