歌の「点」、ビートを意識する。
2024/06/30
ドラムにビートがあるように、歌にもビートがあります。
ビートの意味は、いろいろな解釈がありますが、ここでは、wikiでいうところの
「基本的な時間の単位の始まり、つまり時間の中のある1点。これは足が床を踏むほんの一瞬の点である。」と思って下さい。
つまり、ドラムでいうところの、打点です。
楽器演奏と違って、メロディは呼吸に乗って流れるように歌うので、歌い手はついつい、この「点」をおろそかにしてしまいがちです。
しかし、ポップス、ロックなど、リズムのある曲を歌う場合、この「点」がおろそかになると、歌そのものが、「なんか、ノリが悪い」「どうもルーズだ」という印象を与えてしまいます。
スピード感のある、心地よいグルーブを感じる歌は、この「点」をしっかりとおさえられている歌なのです。
たとえば、歌い出し、小節の頭など、要所要所はかっちり合わせられても、途中の8分音符や、16分音符の点の置き方が適当だと、しゃきっと聞こえません。
ドラムやギターは、その8ビートや16ビートの点を、カチッと押さえて演奏しているものです。
必ずしも、16分を均等に歌うことがいいというわけではありませんが、この「点」意識を磨くだけで、圧倒的に歌のグレードがあがります。
人は、ピッチのぶれよりも縦、すなわち、ビートのぶれに敏感だからです。
ハイハットや、スネアとビートがバチッとあった小気味良いボーカルは、聞く人をスリリングな感覚にしてくれます。
なにはともあれ、ビートの表現は、自分の歌うメロディの譜割りをきちんと把握することからはじまります。
小節の何拍目なのか、音符の長さはどうか、休符は?
付点なのか、シャッフルなのか・・・?
特に、音符が細かい16ビートの曲などでは、細部が曖昧になりがちです。
本人は気持ちよく歌えているつもりでも、なんか、しゃきっとしない、いまいちな歌に聞こえてしまうのです。
譜割をきっちり把握する。
裏拍を感じる。
楽器の、特にドラムのビートを聞きながら、呼吸を合わせて歌う。
練習方法はいろいろありますが、まずは、これらを意識するだけでも、ずいぶん歌のグレードは上がるものです。
関連記事
-
-
ことばに「自分の匂い」をしみつける
ことばには、話す人の匂いがあります。 同じことを言うのにも、ことばの選び方や言い …
-
-
「歌の練習、どこでしているの?」
昨日のこと、 レッスン中にいきなり「ドドドドドドッ!」という大きな音がしだして、 …
-
-
分解して聞く。分解して練習する。~Singer’s Tips#27~
「片手ずつ練習しなさい。 右手と左手、一緒に弾いていたら、 間違っていることに気 …
-
-
熱意とか、負けん気とか、激しさとか、悔しさとか。
MTL Live2017、大盛況の元に終了いたしました。 ご参加いただいたみなさ …
-
-
やっぱ、英語なんだよなぁ。
日本語の歌を歌っているとめちゃくちゃカッコいいのに、 英語の歌になったとたんに、 …
-
-
時間の密度を高める集中のコツとツボ
作品をつくりあげるとき、 制作現場で、 そして、トレーニング、練習、リハーサルで …
-
-
ゆっくりやってもできないことは、速くやってもダメ
そんなの当たり前でしょ?と言われそうなタイトルですが、 実は、この当たり前を知ら …
-
-
英語の歌詞を覚える最終手段は“映像化”と“体感”
「三つ子の魂百まで」というけれど、思春期に捕らわれた思いこそが人生を左右するんじ …
-
-
基礎を忘れるために、基礎を学ぶのだ!
ボイトレが一番チカラを発揮するのは、すべてを忘れて、表現に没頭するとき。 フォー …
-
-
練習するのは、全てを忘れるため
「テクニックなんかどうでもいいんですよ、歌は。」 ピッチだ、リズムだ、表現力だと …
- PREV
- ギターの6弦のチューニングは"E"と決まってる?
- NEXT
- 無責任なコメントに心乱されない

