熱意とか、負けん気とか、激しさとか、悔しさとか。
MTL Live2017、大盛況の元に終了いたしました。
ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
最も嬉しかったのは、
会場に来てくださったみなさんが口々に、
「MTLスピリットに触れた気がする」
「本気で愛を感じた」
とおしゃってくださったこと。
MTLスピリットって、どこにも書いていないんですけど、
Liveの端々に、私たちの気持ちが宿っていたと
感じていただけたことは、
パフォーマー冥利、トレーナー冥利に尽きるというものです。
“MTL12″は私の妄想からはじまりました。
ヴォイストレーナーとして看板を出したときから、
プロシンガーに特化したヴォイストレーニングを提供してきました。
しかし、経験を積み、メソッドが純化するに従って、そもそも、ヴォーカルの練習方法に、プロ向けとか、アマチュア向けとか、そんな線引きはないと、キッパリと気づいたのがきっかけでした。
知るべきこと、人から習うべきことは、そんなにたくさんはない。
集中して、練習方法をば〜っと学べば、
後は自分で自分に教えればいい。
どのくらい深いところまで掘り進むかは、その人次第なんだ。
「自分で自分に教えられる人になる」
これがMTLの根底に流れている考え方です。
だってね、一生先生について習う意味なんてないんですよね。
一生ついて習わなくっちゃいけないような教え方では、ダメです。
相互依存なんです。
自分の耳を、感性を鍛える。
自分の歌に、自分で的確にフィードバックする。
微調整や修正を加える。
どんなことでも、この繰り返しでしか人は上達しないんです。
だから、先生がつきっきりで、
うまくなったわね。あら、違うわよ。
なんて言ってくれているのに、甘えちゃいかん。
先生も、そうやって、いつまでも生徒さんが来続けてくれるような、
教え方をしていちゃいかん。
集中的に、圧倒的に、
自分で自分に教える方法を学ぶ場所。
おそらくは地方から来てくれるであろう人たちを想定して、
最短期間、隔週3ヶ月、全6回で、
それをやり遂げるための教材を徹底的に考えました。
正直、私の指導はきついだろうなと思います。
優しくないです。
びしばしです。
トラの穴と、思っています。
それでも、みんな食らいついてくる。
だから、もっとビシバシやっちゃう。
3ヶ月の間、
みんなそれぞれが悩みながら、
いっぱい泣いたり、落ち込んだりしながら、
最後の最後まで歯を食いしばってがんばってくれる。
そこには、みんなの歌に対する深い愛があります。
そして、私を、MTLを信じてくれる気持ち。
それも、愛です。
そんな愛を感じるほどに、責任の重さを噛みしめました。
3期まで終了し、鹿児島、四国、名古屋、大阪、岐阜、などなど、
文字通り全国から受講生が来てくださって、
みなさん、予想もしなかったほどの結果を出してくれました。
それぞれが、ひとまわりもふたまわりも成長して、
自信さえ感じさせてくれるようになって。。。
当初は一回きりの実験的なスクールになるかな?と思ってはじめたことが、気がつけば、こんなにたくさんの人に来ていただけるようになったことは、驚きでもあり、幸せでもあります。
3期が終わった時、
最終プレゼンテーションでみんなの歌を聴いて、
この先、彼らが成長するために私ができることはなんだろうと、
思いを巡らせました。
もっと深いところに行きたいと、個人レッスンに移行した方もいます。
Onlineのβ版に取り組んで、もう一度じっくりメソッドを学びたいと考えた人もいます。
しかし、しかし、しかし。。。
やっぱりヴォーカリストを成長させるのはライブ。
誰がなんと言ってもライブ。
人前で歌う。
いろんなことを言われる。
それでもめげずに、ステージに立ち続ける。
私がずっとそうやって生きて来たように、
そうやって自分自身を追い込んで追い込んで、
成長して行くのが一番。
とはいえ、50名近くいる修了生ひとりひとりに、
ライブのアドバイスはできません。
かといって、誰でも歌える発表会では、どうも生ぬるい。
成長するためには、やはり、
熱意とか、負けん気とか、激しさとか、悔しさとか、
そういう、ちょっとギリギリ崖っぷちな気持ちが必要で。
・・・そこで、考えついたのがコンテストでした。
Liveに出演したいというメンバーを募り、
コンテスト形式で出演者を決めるという、
まぁ、普通のお教室ではあり得ないトラの穴方式です。
ここで、みんなのスキルを一気に上げてもらうには、
コンテストにエントリーするまでの過程も大切と考え、
FBの秘密のグループ内で、
それぞれの歌う動画をがんがんアップしてもらい、
私含むインストラクターズ、そして、参加者全員で、
どんどん思うままにコメントを投げ合ってもらったのです。
中には厳しいコメントもありました。
自信をなくして折れそうな仲間への叱咤激励もありました。
そうやって、3ヶ月間。
FBグループ内は熱いヴァーチャル部活の場になりました。
各地方に散らばっている仲間たち、
会ったこともない仲間たちが、FB内で友情を育んだのです。
予想以上に大変な盛り上がりになりました。
そして、みんな、この3ヶ月間で、
信じられないくらい成長しました。
コンテストは、情け容赦なく、全修了生、インストラクターズ、そして、プロミュージシャンや業界関係者などなどに、それぞれ5ポイントずつ持って投票してもらいました。
正直、あまりにも熾烈な戦いでした。
発表が近づくほどに、グループ内でもみんなの気持ちの浮き沈みが手に取るようにわかり、
あぁ、なんで、こんな酷いことを考えたんだろうと、
本気で思いました。
しかしです。
しかしなんです。
この厳しさが、みんなを変えました。
コンテストで選ばれた人も、選ばれなかった人も、
腐ることなく、次のステージへ自分を押し上げ、
にこやかに、全員Liveに参加してくれたのです。
コンテストで選ばれた人たちは、
仲間から勝ち取ったマイクにプレッシャーを感じたことでしょう。
客席で、その仲間を姿を見守りながら、
悔しさと、誇らしさで胸が熱くなった人もいるでしょう。
そのすべてが、今回のLiveを最高のカタチにしてくれました。
最後はコンテストにエントリーしたみなさん全員が、
一緒にステージにのぼり、
“MTL Choir”と称して、心をひとつにして歌いました。
ひとりひとりがソロヴォーカリストです。
パワーが全然違います。
会場のお客さんと一緒に、
全員で声を出して歌ったあの瞬間、
場のエネルギーがひとつになって、会場がはち切れんばかりでした。
あんなLive、そうそうありません。
あの場にいられたこと、
ああいう場をつくれたこと、
あんな素敵な人たちに関われたこと。
心から幸せでした。
MTL 2018に向けて。
まだまだ走ります。
MTL 12 第4期、まだまだお申し込み受付中です。
今期は思いの外お申し込み人数が少ないので、このまま行くと、かなり密度の高いレッスンになりそうです。ふっふっふ(^^)))
覚悟してくださいね。気になっている方は是非。詳細はこちらから。
関連記事
-
コーラス上達法①『まずは、歌う音を探す』
音楽を学ぶ人なら、 コーラスをしたり、ハーモニーをつけたり、合唱したりと、 誰か …
-
イケてないプレイヤーは弾きすぎる。
イケてないプレイヤーは弾きすぎる。 よく言われることばです。 例えば、 ソロを弾 …
-
「マネをする」という選択も、自分のオリジナリティの一部なんだ。
人に習うと、自分のスタイルが確立できないとか、 人のマネをすると、オリジナリティ …
-
「歌の表現力」ってなんだ?
表現力と言うことばを聞いたことがあるでしょうか? 「彼はテクニック …
-
ピッチをよくする練習。
「ピッチ悪いね」 歌を志す人が投げ掛けられる苦言で、 これほど辛く、 途方に暮れ …
-
クリスマスソング、何曲ちゃんと歌えますか?
Merry Christmas! クリスマスのうきうき感は、 イル …
-
プレイヤーだって、歌わなくちゃダメ〜っ!
「ヴォーカリストだから、楽器弾けなくても大丈夫ですよね?」 時折、こんな質問を受 …
-
「対バン」の流儀
「対バン」。 学生時代からあまりに当たり前につかっていることばなので、 この言葉 …
-
うまくならない子の思考
「うーん。先週とちっとも変わってないんだけど、練習したの?」 前の週に指摘した間 …
-
MCって、どうしたらいいの?
かつては、MCというものが本当に苦手で、 ライブ当日何しゃべったらいいの?と考え …
- PREV
- 夢のカタチ
- NEXT
- そんな情報、いりますか?