そんな情報、いりますか?
私が最も嫌いな人種に、
「いらんことをいうヤツ」というのがいます。
本人にはどうにもならないことをいちいち口に出して言うヤツ。
それでいて、
「俺って正直だからしょうがないんだよ」とか、
「ハッキリ言ってあげる方が本人のためだから」
などと、うそぶくヤツ。
容姿のこと、根本的な能力のこと、
生まれや育ちのこと、年齢のこと、
境遇や環境のこと・・・etc.etc….
誰にだって、変えたくても、
変えられないことはあるものです。
そんな解決策のないことを、
その人に突きつけるかのようにことばにするのは、
単なる無神経なイジメでしかありません。
さて。
実は教育の現場でも、
こうしたイジメに類する話を耳にすることが多々あります。
「だからお前はダメなんだ」
「あなたの声を聞いていると気分が悪くなる」
「しかし音痴だね」・・・etc.etc.
もちろん、考え方はさまざまです。
なぜそう言われたのか、自分で考えさせるのも教育だ、
という向きもあるでしょう。
しかし、私自身は、
これらは、人にものを教える人間が言うことばではないと考えます。
厳しいことが当然のプロの現場や、
すでに信頼関係が構築されている師弟関係で言われるのなら、
いたしかたないこともあるでしょう。
受け手は、そうしたことばを投げかけられる前に、
何度もヒントをもらっていたのかもしれません。
しかし、教育の現場、人が人にものを教える現場では、ダメです。
ダメすぎます。
「で?どうしたらいいの?」という答えがない。
「何がどうダメで、どうなればいいの?」が伝わらない。
解決策がわからない自分は無能なのだと、
自分に対する不信感を植え付ける。。。
これは教育ではありません。
イジメです。
そもそも、解決策を授けられないのは、
教えている側が無能だからです。
自信を奪われれば、本人は、
自分で解決しようという熱意さえ失います。
人を叱るのと、
苛立って怒るのとでは大違いなのです。
相手に厳しいダメ出しをするときは解決のヒントを、
具体的にどうすれば、それが変えられるのかを
きちんと言語化して伝えるべきです。
同時に、本人が自分の力で解決できるのだという自信を
確実に相手に届けるべきなのです。
そのどちらもできない教育者、トレーナーに
ダメ出しをする資格はありません。
解決策のない情報はいらない情報です。
「ダメなことはわかるんだけどね。」という段階では、
教える側にまわるのは10年早い。
自分が教わりたいように、人に教える。
毎日、胸に手を当てて考えたい、大切なことです。
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