大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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そんな情報、いりますか?

   

私が最も嫌いな人種に、
「いらんことをいうヤツ」というのがいます。

本人にはどうにもならないことをいちいち口に出して言うヤツ。

 

それでいて、
「俺って正直だからしょうがないんだよ」とか、
「ハッキリ言ってあげる方が本人のためだから」
などと、うそぶくヤツ。

 

容姿のこと、根本的な能力のこと、
生まれや育ちのこと、年齢のこと、
境遇や環境のこと・・・etc.etc….

誰にだって、変えたくても、
変えられないことはあるものです。

そんな解決策のないことを、
その人に突きつけるかのようにことばにするのは、
単なる無神経なイジメでしかありません。

 

さて。

 

実は教育の現場でも、
こうしたイジメに類する話を耳にすることが多々あります。

 

「だからお前はダメなんだ」

「あなたの声を聞いていると気分が悪くなる」

「しかし音痴だね」・・・etc.etc.

 

もちろん、考え方はさまざまです。

なぜそう言われたのか、自分で考えさせるのも教育だ、
という向きもあるでしょう。

 

しかし、私自身は、
これらは、人にものを教える人間が言うことばではないと考えます。
 

厳しいことが当然のプロの現場や、
すでに信頼関係が構築されている師弟関係で言われるのなら、
いたしかたないこともあるでしょう。
 
受け手は、そうしたことばを投げかけられる前に、
何度もヒントをもらっていたのかもしれません。

 

しかし、教育の現場、人が人にものを教える現場では、ダメです。
ダメすぎます。

 

「で?どうしたらいいの?」という答えがない。

「何がどうダメで、どうなればいいの?」が伝わらない。

解決策がわからない自分は無能なのだと、
自分に対する不信感を植え付ける。。。

 

これは教育ではありません。
イジメです。

 

そもそも、解決策を授けられないのは、
教えている側が無能だからです。
 
自信を奪われれば、本人は、
自分で解決しようという熱意さえ失います。
 
人を叱るのと、
苛立って怒るのとでは大違いなのです。

 

相手に厳しいダメ出しをするときは解決のヒントを、
具体的にどうすれば、それが変えられるのかを
きちんと言語化して伝えるべきです。
 
同時に、本人が自分の力で解決できるのだという自信を
確実に相手に届けるべきなのです。

 

そのどちらもできない教育者、トレーナーに
ダメ出しをする資格はありません。
 
解決策のない情報はいらない情報です。
 
「ダメなことはわかるんだけどね。」という段階では、
教える側にまわるのは10年早い。

 

自分が教わりたいように、人に教える。

 

毎日、胸に手を当てて考えたい、大切なことです。

 

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 - イケてないシリーズ, ボイストレーナーという仕事

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