大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「イケてないデモ音源」の作り方?

   

以前、プロへの突破口『デモ音源の渡し方?』という記事を書きました。

プロになりたいという人なら、今の時代、
デモ音源くらいは誰もが作るものだからこそ、そのクオリティが問われます。

つまり、誰でも作れるものを作っていたのでは、
頭ひとつ抜け出ることはできないのです。

今日のイケてないシリーズは、
「イケてないデモ音源」について書きたいと思います。

 

イケてないデモ音源とは・・・
 

1. 曲のイントロがやたら長い

人気アーティストのアルバムを真似て、
カッコいいイントロをつけたい気持ちはわかります。
しかし、デモを聞くのに、それほどの忍耐力を発揮してくれる人は希です。

めちゃくちゃカッコよくて、期待感を煽られるようなイントロでもない限り、
(そして、そんなイントロのデモには、まずもって出会いません)
長すぎるのは絶対NG。

「イントロが長いなぁ」と思われた時点でセンスのなさを露呈するようなものです。
 

2. 音のクオリティが非常に低い

ノイズがすごい。バランスが異常に悪い。ライブ音源で音が悪い。。などなど。
集中して聞くことに努力を要する音源がデモとして通用するのは、
相手が自分にある程度以上の興味を持ってくれている場合のみです。

レコーディング・クオリティにしろとまでは言いませんが、
聞く人の気持ちになって、できるだけ「聞きやすい」音源を作りたいものです。

 

3. 楽器のチューニングが微妙に悪い

信じられない話ですが、実はかなりの確率で、
オケの楽器のチューニングが悪いデモに出会います。

今どき、メーターを使わないでチューニングしている人はいないでしょうから、
何らかの理由で、演奏中、もしくはレコーディングを繰り返すうちに、
チューニングが狂ってしまった、
または、楽器自体の調整が悪く、弦を押さえる具合でチューニングが狂ってしまう、
などの理由が考えられます。

いずれにせよ、デモを録るときは、細かくチューニングをチェックする、
チューニングのわかる人に立ち会ってもらう、などの気遣いはMUSTです。
 

4. 歌のピッチが異様に悪い

歌のピッチが悪いのは、一般の人でも、
「なんとなく気持ち悪い」「この人下手じゃない?」などと感じるものです。

まして、音楽のプロともなれば、ピッチの悪い歌を聴かされ続けるのは、
マイルドな拷問です。

アマチュアの場合は、このピッチのジャッジは非常に難しいことが多いので、
できるだけわかる人に協力者になってもらうことも大切です。
 

5. 歌詞がまったく聞き取れない

スタンダードな曲や、有名曲のカバーならともかく、
オリジナル曲の場合、歌詞は非常に重要なポイントになります。

しかし、この歌詞がまともに聞き取れない残念な歌が非常に多い。

作詞をした本人は、すべての歌詞をわかっているから、
ついつい、聞く人も全部聞き取れていると、錯覚しがちですが、
はじめて聞く歌詞は、ただでさえ頭に入って来にくいもの。

歌詞カードを見なくても、一聴して、ことばがクリアに聞こえてくるようでなければ、
作品のよさは半減です。
この場合も、第三者に聞いてもらって、

率直に、聞き取れるかどうか判断してもらうことが大切です。

 

いかがでしょうか?

近々、『プロへの突破口シリーズ』で
「イケてるデモ音源の作り方」を取り上げる予定です。

待っててね。

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 - イケてないシリーズ, プロへの突破口

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