大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

自分との約束

      2015/12/20

プロフェッショナルやスペシャリストを志すとき、大切なことはシンプルなことばかり。
その中のひとつに、「やると決めたことをやる」があります。

非常にシンプルなことですが、これがなかなか難しい。

はじめるエネルギーや勇気を持つのも大変ですが、
たとえスタートを切れても、続けることができない人がほとんどです。

できない理由、やらなくていい理由は次々と出てきます。

人間関係、多忙、予想外の仕事、家庭の事情、体調不良、

さらには、「結果が出る気がしない」という焦燥感、
「こんなことを続けて何になる?」という不信感、
「やり方が間違っているかもしれない」という不安感。

やっても無駄だ、今日は無理よね、今日くらいはいいか。。。

そんな言葉にあっさり負けたり、戦いを挑んで敗れたりするうちに、
やがてそれは、自分に対する不信感、不安感に変わっていきます。

実はそれが一番怖いのです。

プロやスペシャリストになれば、
やると決めたことをやることは仕事の一部。

やりたくなくても、自信が無くても、やれない理由がいくつあっても、
幕は開き、締め切りは訪れ、カウントは鳴り響きます。

仕事は人との約束。観客との約束。
その力が、自分を動かしてくれるわけです。

22738430_s一方、やると決めたことをやるのは自分との約束です。

人との約束を守ることはプロであろうとするからには当然のこと。

しかし、自分との約束が守れてはじめて、自信がめばえる。
自尊心が生まれる。

そんな風に自分との約束を守る人は、一歩二歩と先に行けます。

やると決めたことは必ずやる。
自分との約束を絶対守る。

そんなシンプルな自信が積み重なって、自分を前へ前へと進めてくれるのです。

そう信じて、今日も愚直にやり続けるしかないのです。

 - The プロフェッショナル, プロへの突破口

  関連記事

タイムプレッシャーを逆手に取る

「どんなときに名曲が生まれるんですか?」 というインタビューに、 坂本龍一は、「 …

BPM1目盛りの職人芸

BPMということばが普通に使われるようになったのは、 いつの頃からかわかりません …

人を感動させる力の秘密は”HOW”じゃなく、”WHY”にある。

ピカソやゴッホをお手本に、 「この青は何番をつかって」 「ここの線はくっきり描い …

「なんとなく」や「しかたなく」でキーを決めない。

作曲、作詞、アレンジ、レコーディング・・・ 作品づくりにはさまざまな過程がありま …

「譜面がなくちゃだめ」と思ってしまう自分にまず疑問を持つ

「ボクは音楽は全然ダメですよ。そもそも譜面が全く読めないんだから」   …

特別なことはなにも起きない

音楽業界でお仕事をするようになって、 少しずつキャリアを積み始めた頃、 街でばっ …

極度の緊張に負けない自分になる|本番で力を発揮するコツ

「極度の緊張」のため、肝心な舞台でしくじる。 舞台度胸がないとか、練習が足りない …

”飽きない”。”慣れない”。”手を抜かない”。

何年やっている曲でも、 自分自身がその曲と向かい合うたびに、 新しい発見があった …

ぶっ壊すことを恐れない。

CMの作詞のお仕事を依頼されたときのことです。 某大企業のCMの歌詞を書かせてい …

歌がうまくなる“地獄聴き”のススメ

歌がうまくなりたくて、がんばっているのに──どうにも伸び悩んでいる気がする──。 …