大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

臨界点を突破する

      2015/12/20

「どんなに練習しても、高い声が出ない」

「毎日ボイトレしているのに、声量が上がっている気がしない」

ボーカリストに限らず、
日々の努力を結果に結びつけられない焦燥感に苛まれたことのある人は多いと思います。

練習や学習には臨界点のようなものがある、という考え方があります。

反復練習や勉強によって、
身体の神経系統への情報や、脳への情報が、ある一定量に達すると、
突然、驚くような変化が訪れるポイントに出会うというのです。

臨界点に出会うまでは、反応も変化も起きない。
ひたすら反復とインプットの日々です。

そこでやめてしまえば、それまで。
臨界点に出会うことは、けしてありません。

また、臨界点との出会いのタイミングを少しでも早めるためには、
反復練習の回数消化や、脳への情報を取り込むスピードを、
徹底的にアップする意外にありません。

焦ったり、腐ったり、へこんだりしている暇はないのです。

ただ、ひたすら、反復とインプット。そのスピードと量を圧倒的に上げている努力。

臨界点の存在を疑わずに走り続ける勇気。
それだけです。

そんなことを信じて、日々、戦うのです。

9536075_s

 - Life, 声のはなし

  関連記事

「音楽はひとりではできない」の本当の意味

サポート・コーラスのお仕事で日本全国をツアーしていた頃。 ツアー先の地方の会館に …

声が自分の顔になる。

小学校の高学年の時、流行の「深夜放送」というのを聞いてみたくて、 ゲルマラジオと …

「情報」を正しく伝えるだけじゃ、 人は感動しないんだ。

「声って重要じゃないですか! プレゼンでも、講演でも、やっぱ、声だもんなぁ。」 …

接客が嫌いなら客商売はやめたまえ。

「接客が嫌いなのに客商売をやっている」という、 意味不明な人に、時々出会います。 …

「自慢話」してますか?

謙虚な人が好まれるのは、別に日本だけではありません。   欧米でも、 …

自分の「イケてるところ」に視線を集める。

「しっかし、綺麗な顔してるわよね〜。 マジでどっこもいじってないの?」 「だから …

精度の高い”フォルティッシモ”を持て!

ダイナミクス、すなわち音量の強弱のコントロールが 音楽表現の大切な要素であるとい …

ねつ造できない感動が、人の心を動かす。

How じゃなく、Why。 このブログでも幾度となく取り上げてきているこの命題は …

バイブレーション

人は同調し合うもの。 長いこと一緒にいると、しぐさや話し方、果ては声まで似てくる …

「努力」なんか好きじゃないっ!

「あなたみたいに、努力するのが好きな人のマネはできないわ。」 一緒にお仕事をやっ …