大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

イケてないプレイヤーは弾きすぎる。

   

イケてないプレイヤーは弾きすぎる。

よく言われることばです。

例えば、
ソロを弾かせると休符がない。
8小節なら8小節、
ず〜っとフレーズで埋めちゃう。

例えば、
バッキングをやらせても、
音価(ゲートタイム)がくっきりしない。
だから立ち上がりも際立たず、
なんだかぐちゃっとしちゃう。

ヴォーカリストでも同じです。

フレーズとフレーズの合間が、
なんか曖昧になっちゃう。

アカペラですき間が空くと、
不安になって前のめりに歌いにいってしまう。

アドリブでも、
とにかく矢継ぎ早にフレーズを繰り出してしまう。

しかし、聞き手は、
いや、プレイヤーも、

「間」でグルーヴを感じる。
「間」で、その手前のフレーズを噛みしめる。
「間」で、次のフレーズへのスリルを感じる。

「間」をうまく演出できないと、
どんなにがんばって歌っても、
あるレベルより上に行けないのです。

コロナで自粛になって、
これまでの自分時間に、
いかに「間」がなかったか、
気づいたのは私だけはないはず。

ふと「間」に身を置くと、
動いている世界に対して、
客観的な洞察ができる。
全体の流れを俯瞰できる。

全てが学びと感じる今日この頃です。

あなたは「間」を演出できていますか?

 

◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, Life, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

  関連記事

ヴォーカリストこそ楽器を練習して「演奏の当たり前」を知る。

楽器をうまくプレイできるからといって、 歌もうまく歌えるかというと、もちろん、そ …

嫌なヤツはみな反面教師

「六本木行って! え?道わかんないの? あ〜、もういいよ。途中、こっちが言うから …

「持っているもの」に焦点を当てる。

自分の嫌いなところ、ダメなところを並べはじめたら、 誰だって、たくさん出てきます …

バイブレーション

人は同調し合うもの。 長いこと一緒にいると、しぐさや話し方、果ては声まで似てくる …

つい、この間まで二十代だった気がする?

「先日、MISUMIさんがUPしてたママさんたちのコーラス、 すごくカッコよかっ …

「今さらそんなことして、どうするつもりなの?」

思わず口をついてでることばには、 その人が日頃、何を信じているかが反映されます。 …

年齢の制限なんか、単なる幻だ。

中学のときのこと。 当時、クラスで常に成績の1〜3位の上位を争っていた、仲のよい …

ネガティブ・スパイラルを抜け出す。

私たちが日常的に心の中で繰り返していることばが、 自らのセルフイメージをつくり、 …

「やりたい」と「できる」と「やる」

「音大目指すなんて、今からじゃ無理よ」 中学2年の時に、 とある音楽教室の先生に …

“トレーナー”というものの役割を思う。

音楽の世界ってゴールはないんだよな。 ワクチンの軽い副反応で、 なかばサボりなが …