大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

プロフェッショナルの歌は、「リズム」が違う!

   

プロフェッショナルと、一般の人の歌の、何が違うと言われたら、筆頭にあげるのは、間違いなく「リズム」です。

いい声の人はたくさんいます。
ピッチやテクニックなんてものは、真面目に練習すれば誰だってある程度はよくなります。

ところが、このリズムだけは、まず、気付けるか否か。
ここから、どんどん差が開いていきます。

そもそも、歌詞のハマリとか、楽器とあってるかとか、そういうカラオケレベルのことさえも、甘い人がびっくりするくらい多い。
曲がりなりにも歌を志すなら、高い声だの、アドリブだのと、「小技(こわざ)」を練習する前に、最低限、押さえなくちゃいけないところです。

1. リズムの点=ビートを明確に歌う。
2. 音の立ち上がりを、バキッと歌う。
3. アクセントを捕らえる。
4. 音の長さを、意識的に歌う。
5. シンコペーションを鮮やかに歌う。

ここまでできて、やっと、プロの耳で聞く、「うまい人」。
とはいえ、この5つは、歌のリズムのごくごくベーシック。
頭で「わかる」というだけじゃなく、確実に歌で表現できるようにならなくちゃいけない、マストポイントですから、この時点で「?」ってなってる人は、リズムのぼんやりした印象の歌を歌っている可能性大です。

本物のプロフェッショナルの歌には、さらにグルーヴ表現があります。

音楽を志す人なら、誰もが必ず耳にするであろう、この「グルーヴ」ということばの意味を、表現レベルまで落とし込めている人は、プロを名乗る人でもほんっとに一握り。

グルーヴということばに、明確な定義があるわけではありません。
実に幅広い意味で使われているのも事実です。
でも、「グルーヴってなに?」と不安を感じるなら、間違いなくわかってないし、わかってるつもり、やってるつもりだけど、「え?俺、大丈夫だよね?」って、なっちゃう人は、ごめん。やっぱり甘い。

リズムがいい、グルーヴがいい歌い手は、「うまい」ってのをひらりと跳び越えます。
カッコいい。すごい。気持ちいい。

ホントにカッコいいって思う人の歌を、とにかく全身で感じる。
完コピする。
表面をするっと歌うんじゃなくって、歌をもっともっと立体的にとらえる。

グルーヴの沼へ、ダイブ。
どこまで潜っても、底は見えません。
本気で一生修行です。

リズムの話はどんどんマニアックになるんで、また、メルマガでゆっくり書きますね。
ご購読はこちらから。もちろん、無料です。
ご登録いただいた方には、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼントしています。

↓↓こちらの記事もあわせて、読んでみてください。

で、「グルーヴ」ってなんなん?

 

 - The プロフェッショナル, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

  関連記事

情報処理のスピードを上げる。

遠〜い昔。 小学校時代の親友に、とってもよくお勉強ができる、 某有名私立中学に一 …

「自分の声の地図」を描く

「あなたの音域はどこから、どこまで?」 「え?」 「高い方はどこまで出るの?下は …

ピッチの悪い歌が致命的な理由

音楽はピッチ(音の高さ)という概念があるから成立するもの。 どんなにリズム感がよ …

「売れ線狙い」は劣化コピーを生む。

「これ、今、売れてるから、この路線で行こう!」 そんな風に言うおじさまたちが、一 …

「知ってる」だけで「わかった気」にならない。

「知識欲」こそが「学び」の基本。 「知りたい!」という気持ちが湧かなければ、 あ …

「練習」とは「工夫すること」

楽器や歌を習得したい。上達したい。   しかし、実際、何からはじめたら …

音楽には、優劣も卑賤も上下も、な〜んにもない!

ものすごく当たり前のことなんだけど、時々、ちゃんと確認しておきたいこと。 &nb …

「センス」は左脳から学べ!

「なんでそう聞こえるかなぁ?」 プロを目指して修行に励んでいた頃から、 駆け出し …

たかが半音。されど半音。

たった半音のキーの違い。 しかし、この「たかが半音」が大きな違いとなるのが、 音 …

スタジオ・ミュージシャンって何するの?

私のプロフィールには、 「500曲以上のレコーディングに参加した」と書いてありま …