仕事中毒=「超人病」が、カラダと心を破壊する
ワーカホリック。
日本語で言うと、仕事中毒。
常に仕事をしていないと、または、そのことを考えていないといられない人や、
その状態のことを言います。
ミュージシャンや、アーティスト、
パフォーマーなどには、この、ワーカホリックな人がたくさんいます。
自分の好きなことが仕事になってしまったからか、
それとも、仕事にもれなく、評価がくだったり、
オーディエンスやメディアを相手に仕事をしていたりするせいで、
アドレナリンが出やすいからなのか、
はたまた、業界的に、
「忙しいこと=売れていること」と評価されがちだからでしょうか。
かくいう私も、ミュージシャン専科でバリバリやっている頃は、
誰よりもワーカホリックといわれていました。
手帳がスケジュールで埋まっているとワクワクする。
すでに埋まっているところをこじ開けて、さらにスケジュールを入れる。
物理的な時間の制約がある仕事以外は、
基本、「できない」という言葉を口にしない。
そうして、
朝起きるなり、歌詞の手直しをして、Faxで送って、
スタジオでレコーディングの仕事をして、
その足で、リハーサル、またはライブに行って、
夜中に帰って、ベッドに倒れ込むまで、また作詞の仕事をして・・・
などというような生活を数ヶ月に渡ってこなしていたことがあります。
その結果、
声帯に結節ができかけ、
商売道具の声が、ある音域以上になると、ひび割れてしまうという事態に陥りました。
さらに、耳にノイズを感じたのもその時期です。
特定の高さの音に反応し、いきなり耳の中で「ばふっ」というような音がするのです。
前者はノドのつかいすぎ、冷房の温度差による粘膜の炎症、さらに、疲労、
後者は、ストレスと、過労、そして、おそらくは、
ヘッドフォンで音に集中し過ぎたせい。。。
そんな診断でした。
人間のカラダは消耗品。
ところがね、若くて無理がきくうちは、
気合いで何とか乗り越えられると思ってしまう。
やりたい、という気持ちがすべてを可能にする、
限界まで振り切って生きてやる!みたいな自分がカッコいい、
そんな風に思う。そんな自分に中毒する。
そんな状態を、最近、私、「超人病」と呼んでおります。
こどもの頃、真剣に、
「自分はビルから飛び降りたらそのままふわりと飛べるんだ」と信じていたことがあって、
あやうく、帰らぬ人になるところでした。
まさに「超人病」です。
もちろん、振り切ってみなければわからないことはたくさんあります。
どこまでが可能で、どこからが無理か、自分自身が体感したからわかることでしょう。
しかし、それでも、カラダは消耗品で、
なんなら心も、能力も消耗品で、
休養やインプットなしには、疲弊し、消耗し、故障し、
パフォーマンスにも作業の精度の面でも、けしてプラスにならないということに、
最悪の事態になるまで気づけない。
超人病が高じて、
鬱病になった人、
結節やポリープの手術をするハメになった人、
腱鞘炎になった人、
網膜剥離になった人、
ぎっくり腰になった人、
などなどなど・・・病院のお世話になることになった人は数限りなくいます。
「もしかして、自分も超人病かな?」と思ったら、
ちょっと立ち止まって、カラダのケアをしましょう。
人間のカラダには、交換のきかない部品ばかり。
超人病もほどほどに。
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