大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「人生のピーク」なんて、死ぬまでわからない

   

世界的に活躍し、海外の大きなホールでコンサートなども行ったことのある、
ミュージシャンとお話したときのことです。

「すごいですね!あんなホールでライブしたなんて!」

「もうあの時のことは忘れることにしてるんだ。
あれが、自分のピークだったなんて、思いたくないからね。」

桜は4月になるといっせいに花開いて、
この世のすべての花がかすんでしまうほどの人気を集めます。

しかし、1~2週間であっという間に散ってしまえば、
翌年の4月が来るまで、足元を行き交う人たちにさえ、
見上げてもらえることもなくなります。

 

一方で、竹は最初の4年ほどは、地面から顔を出すこともなく、
地道に地道に根を育てる。

そして、5年目に芽を出すと、
いきなり、わずか数週間で20メートルにも成長すると言われています。

 

植物に、それぞれの「時」があるように、
人間にだって、ひとりひとりの「時」がある。

 

たとえば芸能界で一世を風靡した子役スターが、

麻薬やアルコールなどのスキャンダルを起こしたり、
名声が忘れられないまま転落してしまったり、
早世してしまったり、
はたまた、あっさりと芸能界を引退してしまったり・・・

というのは、実際に名前を挙げるまでもなく、よくある話。

 

一方で、何をしてもうまく行かなかった人が、
30代、40代、50代になってからキャリアをスタートさせて、
作家、デザイナー、音楽家、アーティスト、実業家、などなどとして、
いきなり成功したという例もたくさんあります。

 

もちろん、
ただ、何もせず「時」を待っていても、何も起こりません。

 

心の声を聞いて、
ワクワクすること、ドキドキすることを追いかける。

もがいたり、苦しんだりしながらも、
ワクワクとドキドキを、
追いかけて、追いかけて、追いかけて。。。

 

すると、あるとき、

ぱぁ〜っと視界が開けるように、

もしくは、ギギギギッと重たいドアが開くように、

はたまた、ドサンと隕石が降ってくるかのように、

その「時」はやってくる。

 

 

派手に咲いて、短い命を、ぱぁ〜っと散らす桜も潔いけれど、
今に見てろよと、4年もの間、虎視眈々と時を待つ竹も相当渋い。

 

 

 

さて。あなたの、私の、「時」は、いつでしょう?

すでに来たと感じる人は、次の「時」を。
未だ、来ていないと感じるなら、これから迎える、素晴らしい「時」を。

 

思い描きながら、今日もワクワクもがきましょうか?

 

43295082_s

 

 

 

 

 - Life

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

ちゃんと仕事しろっ!

NYに住みはじめて、 寮の自分の部屋に電話を引き込むため、 電話会社に出向いたと …

「想像力」と「思いやり」がコミュニケーションの鍵!

ここ2~3日、ものすご〜くいろいろな社会の、 いろんなタイプの人たちと、いろんな …

「いいおとながトラウマと向き合う」

思い出すのもぞっとする、 考えただけで嫌な気分になるようなことが、 人にはいくつ …

超私的なブログを書きました。

2018年度の終わりと共に、 クレイジーな日々がやっと一段落。 いろんなことが少 …

「すごい人」と、自分との距離。

どんな分野にも、すごい人というのはいるものです。 すごい人に出会う度に、自分の凡 …

譜面も歌詞カードも、電子化してファイリングが正解!

仕事柄か、習性か、紙の資料がびっくりするほど増殖します。 ライブやレコーディング …

社会人 x 音楽人 /自分バランスを最適化する

2015年にアップした『音楽を「職業」にしないという選択』という記事。 すでに、 …

よき時代のよきものを、 いい形で後世に伝える方法

高校時代、何が嫌いって「古文」の授業くらい 嫌いな授業はありませんでした。 使わ …

「真っ白な灰」に、なりますか?

リングの上で真っ白な灰になった、『あしたのジョー』。 命を賭けられるほどのものに …

「欠落」はことばではなく、行動で埋める

歌うこと、話すこと、書くことを通じて、日々、ことばと向き合っていると、 ことばの …