なんで、「できる」って言っちゃうんですか?
まだ小学生の頃だったか、
おとなたちが屋外で音楽をかけながら、
パーティーをしている映画のシーンに憧れて、
姉と2人で、屋上パーティーの企画を立てたことがあります。
紙のお皿やコップを買って、
屋上に飾り付けをして、
お菓子やジュースを用意して、
ラジカセを持ち込んで・・・
それはワクワク、準備をしたものです。
時間になったら、
家族だけでなく、
祖母や叔父、叔母も屋上に集まってくれました。
ところがです。
なーんか、ぜんぜん違う。
普通の家の屋上です。
ライトもありませんから、ほぼ真っ暗です。
ラジカセの音は小さすぎて、風の音にかき消され、
食器もお菓子も、飾り付けも、
ぜんぶ風で吹っ飛んでいきます。
おとなたちは苦笑しながら、
「ここじゃ無理だね」と、きびすを返し、
結局、わが家のリビングで、
普通に音楽を聴きながら、
お菓子を食べる会となりました。
なぜ、そんな話を思い出したかというと・・・ですね。
夏前に、インストラクターズ会議で、
「今年は”MTL Live”のリアル開催は無理だから、
リモートでやろう!」となってからの、
自分の、アイディアの暴走と、
ネットや配信への無知無策さのかい離具合に、
真っ暗な中、
風に揺れる屋上の飾り付けを見つめていた時の、
あの悲しい気持ちが、
何度も舞い戻りそうになったからでした。
「やりたい!やろう!」と決意すると、
「具体的にどうやればいいか」
「本当にできるのか」などということは一切考えらなくなって、
ひたすら妄想を広げてしまうのが、私の思考の癖。
しかも、台風の目みたいなところがあって、
気づけばいろんな人を巻き込んで、
スケジュールまでかちっと立てちゃって、
後戻りさえできなくしている。
で、それから〜の、
「ところで、具体的に、どうやってやるの?」
という順番。
なんか、おかしくないですか?
なんで、できるって思っちゃうんですか?
なんで、できるって言っちゃうんですか?
だってさ。
こどもの頃から、
「可能の発想を持て」と父に教えられてきまして。
(また、父のせい)
まずは「できる」という前提で発想していかないと、
成長も前進も進歩もない。
それから、
「お前が疑問に思ったり、叶えたいと思ったりすることは、
他の誰かもおなじように思っている。
その解決策を考えついた人だって必ずいる。」
とも教わりました。(ほら、父のせい)
だから、基本、自分のやりたいことの方法論は、
すでに存在しているはず、という前提が、
頭の中にいつもあります。
そして、実際、探してみると、
ほぼ必ず、その方法がみつかります。
後は、そのためのノウハウや機材を手に入れて、
自分自身が使いこなせるようになればいいだけ。
だけ。
・・・だけ。
いや、この「だけ」が一番難しくて、
一番大変なのに、
そこに気づいていないのが、
私のおめでたいところ、
いや、頭の悪いところ。
で、やりはじめると、いつも、
「真っ暗な屋上と風に揺れる飾り付け」が蘇るわけなんです。
なんで、こうなっちゃうかな?
なんで、こんなこと、自分でできるって思ったかな?
なんで、誰かに頼まなかったかな?
・・・その繰り返しです。
スタジオを借りて、
プロジェクターにみなさんのパフォーマンス映像を流しながら、
DJみたいなスタイルの配信ライブをやる。
クワイアの映像を編集してつくったり、
オンラインでみなさんにインタビューもしよう!
海外の音楽番組みたいな感じにしたいな!
・・・そんな妄想を叶えたくて、
すでに20時間以上をPCの前で過ごしています。
マイクとカメラ、
ライブ配信ソフト、
バーチャルミキサー、
zoom、Youtube・・・
いや、すごく、単純で、簡単で、
きっと若者なら、
ちょちょいのちょいで、
30分くらいでできるセットアップのはず。
それなのに、
こんなに時間がかかっている上に、
なんかまだブラックボックス状態。
そして、リハーサルは今日。
やるだけのことはやったぜ。ジョー。
本番まで、あと半月。
真っ白な灰になるまで、
立つんだ、ジョー!
・・・とりあえず、リハ、行ってきます。
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