不満から目をそらさない。 絶対、そらさない。
大学を卒業して、今で言うフリーターをしながら、
音楽学校に通ったり、
ダンスレッスンに通ったりしていた頃。
バンドがやりたくて。
音楽で食べていきたくて。
プロに認められたくて。
毎日、毎日、ふらふらと歩き回っては、
途方に暮れていました。
どうしたらいい?
誰に会えばいい?
っていうか、誰が私みたいなダメダメな、
へたくそなヤツに興味を持ってくれる?
どこにいけばいい?
どこに行っても、誰も私になんか、興味持ってくんないでしょ?
そんなことを、ぐるぐる、ぐるぐる考えていました。
まわりに目をやれば、みんなキラキラ輝いています。
オーディションに受かった子。
バンドで活躍している子。
事務所から声がかかった子。
ツアーの仕事が決まった子。
どの子も、どの子も、
みんな綺麗で、今風で、垢抜けていて・・・
私がやりたかった音楽とはかけ離れた、
アーバンでポップでアンニュイで・・・だったっけ?
・・・とにかく聴いたこともないような、
聴いてもすぐ忘れちゃうほど、
私とは無関係な世界の歌を、
涼しげに歌っているような子たちばっかり。
みにくいアヒルの子の物語を読んで
あれほど感情移入できるおとなもいなかったでしょう。
「アヒルの子は白鳥だったんだよね。。。」
だけど、あたしは、もちろん白鳥でもなんでもなく、
アヒルの仲間にも入れない。。
一体全体あたしってなんなのよぉおおおぉおおおお。
そのくらい毎日下ばかり向いて生きていると、
そのうち、いい感じで「やけくそ感」が生まれるものです。
どーせ誰にも相手にされないんなら、
どーせ何やったってダメだってんなら、
思いっきり馬鹿にされて、打ちのめされて、
もっともっとズタボロになってやるっ!
でもって、もんのすんごくズタボロになれば、
きっと、もう、すっぱり諦めつくに違いないんだ。。。
ダメ元で、同じ音楽学校の優秀なミュージシャンをバンド軟派してみる。
なにひとつ決まってないのに、ライブハウスをブッキングしてしまう。
雑誌のメン募欄や、
楽器店の壁にべたべた貼られた
「ヴォーカル募集」というフライヤーの連絡先に電話をかけ、
見知らぬ人たちに会いに行ってみる。
気になるバンドをやたら追いかけ回したり、
ライブハウスに片っ端から出入りして、
歌いたい、何でもやりたい、と言いまくってみる。。。
「火事場の馬鹿力」なんて上等なものじゃありません。
火事場にさえお呼びじゃない、
イケてない女の、やけのやんぱちです。
「ばかやろー」とかって叫びながら、
やけくそで行動する。。。
どうやら、それが私にとっては、
一番力の出るスタイルのようです。
何年か後に、
「負のパワーはからは何も生まれない」的な本を何冊も読み、
なんでもかんでもポジティブに解釈しようとする、
「ポジティブ病」にとりつかれたこともありますが、
いかんせん根っこがロックだからか、
エセ・ポジティブでは、どうも力がわきません。
結局、ダメダメで、
こんちくしょうで、
今に見てろよ!な自分が一番行動力がある。
だとしたら、きっと私は、
そんな風につくられたに違いない。
不満を感じるのは、それを解決するすべを知っているから。
だから、不満から目をそらさない。
絶対、そらさない。
真のパワーって、そんな風に生まれるんだ。
少なくとも、私にとって。
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