大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「○年にひとりの逸材」

   

仕事柄か、運がいいのか、
「○年にひとりの逸材」と言われるアーティストと、
お仕事で関わらせていただくことが一定の割合であります。

どの子も、

声がいい。
ルックスがいい。
パワーがある。
華がある。
存在感がある。
いい曲を書く。
いい歌詞を書く。
やたら若い。
歌がうまい。
楽器がうまい。
アレンジまでひとりでこなす。

などなどの中の、最低5個〜8個くらいの要素を持っていて、
一目会った瞬間から、
いろんな意味で、
どうにも気になる存在となります。

まぁ、アーティストというのは、
才能のある子ほどデリケートで気むずかしいものですから、
レコーディングのお仕事でも、
ヴォイトレのお仕事でも、
いろいろ苦労は絶えませんが、

関わっているこっちが興奮するほどの存在感を放つ彼らと、
共に時間を過ごす機会をいただくことは、
実にラッキーなこと。

こちらとして、少しでも役に立つべく、全力でやるのみです。

 

さて。

そんな「○年の逸材」と言われた彼らの、
一体何人にひとりが実際にブレークしたでしょう?

テレビで頻繁に見かけたり
大きなツアーを回れるようなアーティストにまで成長した子は、
そんな○年に1人の逸材の、そのまた数%です。

1曲目、2曲目でなんとなく噂になる。
メディアにも何度か取り上げられる。
プロモに力を入れてもらう。
大きめのライブやフェスなどにちょこっと出る。

3曲目くらいから、だんだん、
試行錯誤のフェーズに入って。。。。

そのうちに、こちらもご縁がなくなって、
しばらく名前を聞かないうちに、

ディレクターが替わる。
マネージャーが替わる。
レコード会社との契約が満了する。
そのうちに事務所を卒業。。。

そんな寂しい話を聞くこともしばしばです。

こればっかりは、本当にわからないものだというのは、
おそらく、業界の人、共通の意見でしょう。

一方で、業界のおじさまたちがノーマークだった子が、
めきめきと頭角を現して、
いきなりブレークすることもあります。

事務所を卒業したはずの子が、
あれこれ自分で活動するうちに、
全然違った形で話題に昇り始めることもあります。

全く違った畑で大ブレークし、
メディアで話題になった、なんて子もいました。

 

本当にわからない。

だから、やったもん勝ち。

○年にひとりと言われたって、
なんでもおとなの言うこと聞いてがんばったって、
ダメなときはダメ。

反対にぼろくそ言われたって、
好き勝手にやってたって、
うまく行くときはうまく行く。

どっちにしたってわからないんだから、
とことん、自分が納得いくことをやらなくちゃ損だ。

そんな風に思うわけです。

 - ある日のレッスンから, 音楽人キャリア・サバイバル

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