テリトリーを広げよ。
学校に通うため上京してきた子たちにとって、
しばらくの間は、東京=自分の通う学校+自分の生活圏です。
まぁ、東京に出てきて、
いきなり新宿、渋谷をテリトリーに暗躍するようなツワモノは、
なかなかいないものですし、
無理して背伸びすれば、悪いおとなに目をつけられるのが関の山です。
しかし、おなじ環境で1年、2年と過ごし、
いろいろなことに自信がついたら、
次は少しずつ自分のテリトリーを広げる努力をしなくてはいけません。
少なくとも、音楽の世界でなにかをやっていきたいと思っているなら、
これはMUSTです。
ところが、これが、どうもなかなか難しいことらしい。
学校の中は学生たちに居心地よくできています。
練習環境も、演奏環境も、レコーディング環境もある。
アクティビティもあるし、競争の原理も働いている。
学校内にもそれなりに、チャンスや、出会いがあります。
学校行事で業界の人と出会ったという人もいます。
しかし、そこは、あくまでも学校。
音楽業界ではもちろんないし、
ミュージシャンの世界でもない。
なんなら、「東京」ですらない。
(実際、多くの学校が○○市にあるわけですが・・・)
それなのに、エネルギーのすべてを学校内の活動とバイトに注ぎ、
生活のすべてが、
それだけで完結している学生がどれだけいることか・・・。
いやいや。
学生ですから、勉学にいそしむのは当たり前です。
高い学費を払って学校に来ているわけですから、
練習室なり、
レコーディングスタジオなり、
使える環境は、思いきり使うべきです。
要は、その先、どこへ向かって行くか。
そこが大切なのです。
学校の中ではなにも起こっていません。
デビューさせてくれる人はいないし、
ヒット曲は生まれない。
業界へのパイプが転がっているわけでもない。
もちろん、プロフェッショナルな先生がたくさんいるわけですから、
学校での評価が無用だなどという気はありません。
先生方の間で評判になれば、
人はメディアですから、
外部の人と繋げてくれることもあり得ます。
しかし、それはあくまでも一つの可能性。
結局、自分自身が外に向かって閉じていれば、
どこへも行かれないのです。
こう言うと、
「やっぱり事務所に入らなくちゃダメなんですよね」
などと言い出す子がいます。
はいはいはい。
とりあえず、そういう、「事務所神話」は忘れて下さい。
業界には素晴らしい事務所があり、
素敵で、才気あふれるプロデューサーがたくさんいます。
しかし、その数十倍、いや、数百倍、
○ソのようなゴミ事務所があり、
ク○のようなエセプロデューサーがいます。
よくわかりもしないで、関わりあえば、
酷い目に遭わされます。
就職活動をするかのように、「事務所」を探す前に、
もっともっとやるべきこと、
できることはあるはずなのです。
よその学校の学祭やコンサートを積極的にチェックしてみる。
複数の学校のサークルなどに参加してみる。
さまざまな人が出演するジョイントライブに参加する。
おとながやっているセッションなどにも参加してみる。
デモ音源をつくって、思いつく限り、いろいろな人に聞いてもらう。
ストリートライブをやってみる。
コンテストやオーディションにエントリーする。
楽器店などのイベントに参加してみる。
SNSを利用して、外部の人に聞いてもらえる仕組みをつくる。。。。
etc.etc…..
ざっと思いつくだけでもこのくらいは出てきます。
学生時代の財産は、若さと時間。
そんな大切なものを、
校内活動と、ちょっぴりのバイト料に引き替えて、
満足していていいわけはありません。
やれることはなんだってやってやる。
そのくらいの勢いがなければ、どこへも行けません。
テリトリーを広げる。
生き抜いていくために、
生き残って行くために、
どんな動物も命がけでやっていること。
ここでも、本気が試されているのかもしれません。
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