苦しさも音楽の一部だから。
歌がうまくなりたい!という強い衝動は、
一体どこから湧いてくるのか?
歌に、音楽に、心をつかまれて、
逃げ出せなくなってしまうと、
喜びや充実感よりも、
苦しさや焦燥感が勝るようになります。
練習しても、練習しても、思うように歌えない。
はるか先を行く人たちは、その背中さえ見せてくれない。
もっとうまくなりたいけれど、
一体、それがなんだというのか。
所詮どんなにがんばってもできないこと、
一生かかっても、いや、来世になっても、
叶えられないかもしれない夢を
あきらめられない自分と向き合うことは、
死んでしまいたくなるほど恐ろしいことです。
どうせできないことなら、いっそやめた方がマシ。
もっと自分に向いていることがあるかも知れない。
音楽への思いなんかただの執着なのかも知れない。
そんな風に何度自分を説得しようとしても、
やめられない、あきらめられないことが、
どんなに苦しいことか。
「音楽なんて、好きなことをやってて羨ましい」と、
人に言われるほどに、苦しさは増します。
やめてやるっ!と固く決意をかためて眠りについて、
朝起きると、やっぱり歌っている自分がいる。
自分でもどうにもなりません。
理由なんか、きっとない。
理由なんか、どうでもいい。
どうせやめられないことなら、
ずぶずぶに、ドロドロに、自分を沈めて、
やれるとこまで、もがくしかありません。
やめることは決意かもしれないけれど、
やめないことに決意はいらない。
「やりたい」というエネルギーが底なしに湧いてくるには、
理由はなくても、意味はある。
自分の中のどこかにくすぶる、
「できない気がしない」という感覚を追いかけて、
やれることは全部やる。
最早これまでと、自分が納得するまで、
徹底的に、やり抜く。
きっと、それしか選択肢はないんです。
抑えられないエネルギーと苦しさ、
そして、追いかけていくプロセスそのものも、
音楽の一部なのかもしれません。
◆一生に一度、集中的に学ぶだけで、”自分で自分に教えること”を可能にするMTL 12。毎週日曜日10時〜Youtubeにて公開中。
◆毎週月曜発行中!声に関するマニアックな情報やインサイドストーリーをお届けする無料メルマガ『声出していこうっ』。バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
カラダをつくる~Singer’s Tips #23~
どんなに歌を練習しても、 肝心の楽器であるカラダがへなちょこでは、 いい音、いい …
-
-
成長に痛みが伴うのは、 本気度を試されているから。
高校1年の夏だったと記憶しています。 手足が痛くて、眠れない夜が続きました。 筋 …
-
-
「完全無欠」を更新する。
「自分の頭の中にあることのすべてを文字化したい」などという、 イカれた考えに捕ら …
-
-
上達するためのプロセス
高い声を出したい。 もっと正確にピッチやリズムを刻みたい。 速いフレーズを的確に …
-
-
自分自身を「スポットライトのど真ん中」に連れて行く。
スポットライトって、すごいなぁと、 ヴォイトレに来るアーティストたちの、 コンサ …
-
-
「努力」なんか好きじゃないっ!
「あなたみたいに、努力するのが好きな人のマネはできないわ。」 一緒にお仕事をやっ …
-
-
カラダに染みこませたものは裏切らない。
若かりし頃から、使った「歌詞カード」を 大切に取っておく習慣があります。 「ネッ …
-
-
確信だけが、人の心を動かす。
「MISUMIさん、バッチっす!OKです!」 レコーディングのお仕事では、 歌っ …
-
-
たかが半音。されど半音。
たった半音のキーの違い。 しかし、この「たかが半音」が大きな違いとなるのが、 音 …
-
-
「バンマス・マニュアル」〜ライブ編〜
メンバーがあつまったら、さっさとライブを決める。 いや、なんなら、メンバーは集ま …
- PREV
- 心のブレーキをぶっ壊せ。
- NEXT
- まず、自分の出音(でおと)をちゃんとせい。
