声のリハビリ
3月からのライブ・ラッシュに向けて、
朝トレをしているわけですが、
ここ半年あまり、
あまりにひきこもり&座りっぱなしだったもので、
練習というより、リハビリの様相になっています。
「最近、老化で声が出ない」みたいなことを言う人が
よくいるんですが、
それね、たいがいは、
ライフスタイルの変化による発声筋の衰えです。
年齢と共に、おとずれる生活の変化。
たとえば、
お仕事しなくなったり、
家族構成が変わったり、
お友だちづきあいが減ったり、
というライフスタイルの変化で、
運動量が減るから、呼吸が衰える。
家に引き籠もるから、
座りっぱなしで姿勢も悪くなる。
緊張感がなくなるから、
全身の筋肉がゆるむ。
しゃべらなくなるから、
発音にまつわる筋肉が衰える。
というプロセスを経て、
声が出にくくなったり、
ガラガラしやすくなったり、
ひっくり返りやすくなったり、
カツゼツが悪くなったりするのです。
これをまるっと「老化」と言ってしまうと、
ゲームオーバーです。
だって、人は若返ることは絶対ないもん。
老化。おしまい。ちゃんちゃん、です。
しかしね、運動不足は確実に解消できます。
しかも、ちょっとやるだけで
面白いほど回復していくのがカラダというもの。
声を新たに開拓して行く感覚は、
気づきもたくさんあって、めちゃくちゃワクワクします。
ちなみに、
運動不足で声が出にくくなった時こそ、
高い声を開拓するチャンス。
日頃、大きい声や太い声を出そうと踏ん張っている筋肉たちが、
ちょっと弱々しくなってくれているおかげで、
ギュインと伸ばす筋肉が活躍しやすくなります。
ノドにストレッチをかけるチャンスというわけです。
逆に言えば、この時に高音も一緒に出にくくなるということは、
日頃、力まかせに高音を出しちゃってる証拠とも言えます。
声の響きが弱まった時ほど、
自分の共鳴ポイントを探すチャンスでもあります。
同じ音量でも、鳴らす場所をちょっと変えるだけで、
声はわ〜んと伸びる。
単に発声のための筋肉が落ちたというより、
共鳴させる感覚を見失っている、という場合もあります。
声を出し始めると、
痰が絡んだり、鼻がつまったり、
なんだか耳の聞こえが悪くなったりという現象も起きますが、
すべて、「あ、また声出します?」と、
カラダが活性化&調整を始めてくれた証拠。
そんな風に、あれこれ考えながら声を出していると、
こんなはずじゃない、という気持ち以上に、
まぁ、楽しい。
音楽の楽しさはプロセスにあり、です。
もちろん、生きとし生けるもの、
経年変化はあります。
えぇ、えぇ、老化もあるでしょう。
しかしね、
「だから、がんばっても無駄なの」とばかり、
自分に言い訳したり、自分を慰めたり、
なにかができないことの免罪符につかったりするのは、絶対違う。
変化は気づきのチャンスであり、
くふうの見せ所。
どんなことにも必ず、
ポジティブな側面はあるものです。
自分はまだ当分関係なさそう・・・
という若者たちほど、
覚えておいて欲しい大事なことです。
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