大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

何才までロックします?

   

「外タレのチケットの値段をつり上げているのは、
ストーンズとポール・マッカートニーだ」
と言う人がいて、
ほぉ〜。そういえば、そうかも、と納得してしまいました。

確かに、まだ普通の外タレのチケットが、
数千円レベルだった頃、
いきなり10,000円と大台に乗せたのはストーンズだったし、

「最高額10万円」だなんて、
ドリームジャンボ宝くじみたいな値段設定をしたのは、
ポールでした。

もうなんか、
「いくらまでつり上げたら、
お客が来なくなるかやってみようか?」
的な、半ばギャグのような値段です。

さて。

ストーンズやポールがつり上げているのは、
チケットの値段ばっかりじゃありません。

ドームクラスの箱でワールドツアーをやり続ける、
ロックスターの最高年齢をつり上げ続けているのも、
確実にこの辺の大御所たちです。

ポール・マッカートニー78才。
ストーンズのミック・ジャガーとキース・リチャーズが75才、
チャーリー・ワッツが77才、ロン・ウッドが71才。
エアロのスティーブン・タイラーは72才と言うし。。。

この数字を見て、
おぉ、まだまだこれから。
夢が広がるぅ〜、と考えるか、

うっそぉ〜。化けもんだ〜。
と、凹むか。

人それぞれでしょうが、
少なくとも、彼らの生き様は、
これからの音楽人生をどう生きるかという、
私たちのひとつのベンチマークになると思えます。

心から望み、
心身の鍛錬を怠らないなら、
人間は80才まで、
現役で、なんならスタジアム級のステージででも、
パフォーマンスができるだけの、
ポテンシャルを持っている、ということです。

そのために、彼らが、
どのくらいの努力をしているのかは、
目に見えません。

食事や健康管理にどれほど気を使い、
どんなトレーニングを積み、
どれだけ精神の鍛錬をしているか。
どれほどのプレッシャーや、
責任を背負って日々生きているか。
本人以外にはわからないことも、
たくさんあるでしょう。

そういう意味で、
「すっげー」と人に思わせるわけです。

いや、そういう意味で、「すっげー」んですね。

そんな話をすると、
「スーパースターは、ストイックじゃないとね。」
という人がいます。
「お金かけて、栄養管理士とか、雇ってるでしょ〜。」
という人もいます。

いやいや。
ストイックだから、スーパースターになったんだし。
お金があったって、
そんなことに興味のない人もたくさんいます。

要は、何を望み、
何を叶えるために、
何を捨てるか、ではないのか。

1日でも、1時間でも長い音楽時間を
楽しみたいから、
そのためにちょっとがんばる。
ちょっと他の人より努力する。

きっと本人たちにとっては自然なことなんですよね。

先日、「ロックは20代まででしょ。」と言う、
30代の若者に出会ったという人がいました。

あたしがそんなことばを聞いたら、
確実に、
「はぁ〜?喧嘩売ってんの?」と、
なってたでしょう。

 

自分の可能性を決めるのは自分。

信じることしか実現しない。
だって、人は信じられないことのために、
努力はしませんから。

太ってる場合じゃありません。
腰が痛いとか、目が見えないとか、
言ってる場合じゃない。

「化けもの」と言われる日まで、
いや、「妖怪変化」と言われても、
現役バリバリで行こうじゃありませんか。

Keep on Rockin’!

◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, Life, バンド!, 音楽人キャリア・サバイバル

  関連記事

結果が見えなくても、愚直に続ける勇気

たくさんのミュージシャンやアーティストたちを見て来て、いつも思うこと。 結局、近 …

Now or never, my friend.(今を生きるのだ、友よ!)

大学生くらいの年頃の子たちと話していると、実によく、 「今しかできないんで」と言 …

自分の声。

「自分の声に興味のある人なんているんですか?」 これまで、何度か、 そんな質問を …

優秀な人は群れない。媚びない。焦らない。

今日は朝から、頭脳派かつ純粋にそれぞれの仕事を追求するリアルプロフェッショナルの …

「あと一周」のベルが、まだ聞こえない。

出版に向けラストスパートに入りました。 え?まだスパートかけるの?という街の声が …

自分を生きる。 自分を愛する。

日々、たくさんの人と会い、 実にさまざまな事柄をさまざまな角度から、 見たり、聞 …

握手。ハグ。キス。

音楽業界の常識と一般の常識とは、 あらゆる面で、大きなずれがあります。 起業して …

「好きだから」っていう動機が一番すごい!

「キミのためなら死ねる」 『愛と誠』という漫画の脇役である岩清水くんの名セリフで …

リミッターをぶっ壊せ。

「MISUMIさんがこれまで味わった挫折ってなんですか?」 先日、とある方にこん …

基礎の難しさに気付く~Singer’s Tips #4~

歌を上達したいという人に、 ウォーミングアップやストレッチ、 ヴォイトレなど、基 …