大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「うまくなる」の無限ループ

      2022/02/16

執筆を開始して、早半年あまり。
20万字くらい書いて、半分くらい直して・・・

なんてことをやってるので、都合30万字くらいは書いている見当です。

私の1回のブログが1000文字〜1200文字くらいですから、
なんだかんだ、300本分くらい書いたことになります。

ひひひ・・・・

このくらい書いていると、
自分で言うのもなんですが、
だんだん書くことがうまくなってる気がします。

なんでそう思うかと言うと、
まず、これを言いたいんだけど、と思った時に、
ことばがするする出てくる。

え〜っと、こういうことって、文章でどう表現したらいいんだろう・・・って、
立ち止まることが少なくなっている気がします。

それから、今回の本は、
マニアックな表現とか、
専門用語とか、極力排除し、
誰が読んでもわかるように、がコンセプトなんですが、

書くほどに、
今までいかに自分が、独善的な説明をしてきたか、
もの凄く気づかされているわけです。

「このくらいわかるでしょ」的な…
いや、思い上がっていたわけじゃないんだけど。
目線が高かったな、とか。

なにしろ、編集者さんが、
「ムズいっ!」とか、
「これでは一般の人はわかりません!」とか、
厳しく、きめ細かに赤を入れてくれるので、
あれまー、これ、わからないんだ!と驚愕したり、
え〜〜!?これ、どうやって説明すりゃいいのぉ〜!?
と、悶絶したり。

そうやって、
1000本ノックのように次から次へと突きつけられる課題を、
ちぎっては投げ、するうちに、
自分の中でも、ちゃんと説明ついていなかったことばたちが、
なんだかすっきりと整理整頓されてきたように思えるのです。

でもって、この「うまくなっている気がする」の、極めつけは、
頭から読み返すと、
ありゃ、ここの表現、甘い、とか、
まだ洗練されてないとか、
自分の文章の拙いところに気づいて、
また書き直したくなるからなんです。

書いている時は、どのセクションも、
ちゃんと腑に落ちるまで追い込んでいるわけで、
いわば、その時の自己ベストは出しているはずなんですが、
どうやら、日々、その自己ベストを更新しているらしい。
だって、ヘタに感じるんですよ。
読み返すと、なんじゃ、この文章?となって、
思わず、これって下書きだっけ?と二度見したりする。

やればやるほど、わかるようになる。
だから、自分の残してきたものを振り返ると、
まだまだ青いな、と感じてしまう。

うまくなるって、そんな無限ループなんですな。
歌でも、文章でも、なんでも同じ。


とはいえ、
わかったような顔をして歌われる歌も、
お上手な文章も、
それはそれで、面白味がないに違いない。

鮮度を保ちながら上達していくってのが、
実は一番難しいところなのも、みな同じなんだなぁ…。

この無限ループから抜け出せる時こそが、解脱の時。
果てない修行は続くのだ。。。

 - B面Blog, Life, 夢を叶える

  関連記事

「あのね、わかる人と変わってください!」

先日、某携帯電話のS社に問い合わせの電話をかけました。 新規にiPadのセルラー …

ネガティブ・スパイラルを抜け出す。

私たちが日常的に心の中で繰り返していることばが、 自らのセルフイメージをつくり、 …

自分が自分であることの奇跡

今日はお誕生日でした。   いくつになっても、誕生日はとてもワクワクし …

「自分」というジャンルを極める

「らしくあれ」。 女子高生時代、創立者のありがたきおことばとして、 朝礼などで、 …

「歌いたいっ!」が胸を叩くから。

トレーナーをはじめて、 ずっと大切にしてきたことは、 「昔の自分」のまま感じて、 …

まだなんにも終わってないし、これからはじまることだって、たくさんある。

ここのところ、本当にいろんなことがあって、 しょげたり、凹んだり、疲れ切ったり。 …

起きてみる夢 寝てみる夢

「うちの子、声優になりたいって言ってるんですよ、先生」 そんなお母さんの相談を受 …

誰に話しても「ウソぉ〜」と言われるOnline映像制作秘話③

当初、編集は誰かに頼む予定でした。 映像編集なんてやったこともないし、 できる気 …

「違和感」を放置しない。

私たちの脳は毎秒1000万ビット以上の情報を処理できると、 神田昌典さんが書いて …

握手。ハグ。キス。

音楽業界の常識と一般の常識とは、 あらゆる面で、大きなずれがあります。 起業して …