完成しない作品は、「作品」ではない
ずいぶん昔。
ユーミンがとあるラジオ番組で、
「美大で日本画を専攻していた」という話をしていました。
「毎週、必ず作品を提出しなくちゃいけなくて。
あの頃、苦しくてもなんでも作品を仕上げる習慣をつけたことで、
どんな苦しい時でも、途中で投げ出さずに、
曲を仕上げる力がついた。」
当時、どんなにがんばっても、
曲というものが書けなかった私にとって、
とても興味深いお話でした。
世の中には、「鼻歌で作った」とか、
「この歌詞は30分で書けた」などという、
ミリオンセラーの曲がある一方で、
苦しんで苦しんで、苦しみ倒して書いたって、
鳴かず飛ばずという曲が腐るほどある。
作品のつくり方に間違いも正解もないし、
「こうすれば絶対に名曲やヒット曲が書ける!」
なんて法則が存在するわけもない。
しかし、ただひとつ、確実に言えることは、
完成しない作品は、「作品」ではない、ということ。
どんなに斬新なアイディアだって、
素晴らしいデザインだって、
作品として形にならないものは、
ただの妄想。夢想。
もちろん、なんでもかんでも、
形にすればいいというものではありません。
作品と呼べない完成度のものを、
作品とカウントするのは情けない。
プロプロはプリプロ。
デモはデモです。
その作品の制作に、
自分の中で終止符、ピリオドが打てるレベルまで、
自分を追い込むこと。
これで完成、といえる形まで持っていくこと。
作品の完成には、覚悟と勇気、
そして、おそらくは、
悟りのような感覚が不可欠なのです。
そうやって、ひとつひとつ、
作品を完成させることでしか、
アーティストは、クリエイターは、前に進めない。
永遠に完成しない作品を、
人は「作品」と呼んではくれないのです。
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