大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

年齢は、ただの数字。

   

先日、外国人の友人家族とスキー旅行に出かけた時のこと。

「ホテルに泊まるのに、なんだって年齢書かなくちゃいけないんだ?」
ホテルの宿泊者名簿を書きながら、友人がぼやきました。

確かに、日本人は、書類などで年齢を尋ねられることに麻痺している節があります。

その後向かったスキーレンタルショップの書類にも、
年齢を書き込む欄があって、思わず苦笑しました。

書類に年齢を書き込む欄をつくるのは、
日本人の習性のようなものでしょう。

どんな属性の人がサービスを利用しているのか知りたいという、
調査目的もあるかもしれません。

健康やコンディションをあつかうサービスを提供している場所では、
年齢情報が必要な場合もあるでしょう。

ちなみに、声やカラダのコンディションの指標として、
年齢が有効な場面も多々あるため、
MTLのプライベートレッスンでも、
ざっくばらんに年齢をうかがっています。

個人的には、
年齢を訊ねる、訊ねられること自体には、
どんな感情も湧きません。

心身のケアをしてくれる場所や、
公的な場所で年齢を言うことにはなんのためらいもありませんし、
そもそも、自分の年齢を恥ずかしいと思うこともありません。

あ、「え?うっそぉ。もうこんなだっけ?」と、
変に感心することはありますけどね(^^)

 

年齢は、ただの数字。

その数字からどんな感情を取り出すのかは、
送り手、受け手のセンス、価値観次第でしょう。

 

「何十年ぶりかでやってみたら、スキー好きになっちゃって。」

先日そんな話をしたら、
「そのお年で、新しいことに挑戦できるって、素晴らしいことですよね。」
とお褒めのことばをいただき、

おぉお、あたしって、「そのお年」といわれるお年なんだと、
いきなり数字に愛着が湧きました。

 

「年齢」という数字に、思い出やキャリアが重なって、
心地よく、愛しく感じられることは、
まことに幸せなことです。

その数字に一喜一憂したり、過剰反応したり、
負の感情を乗せたりするのは、実にもったいない。

幸せに毎日を生きていたら、
年齢という数字は、
重ねてきた幸せの大きさとイコールのはず。

 

10年ほど前、がむしゃらに新しいことを勉強していた頃、
10才ほど年上の女性に言われました。
「あなたはまだ若いからね。
私の年になると、いろいろ大変ってわかるわよ。」

10年経った今も、
彼女は同じように言います。
「あなたも年を取ると、わかるわよ。」

 

私にとって、年齢はただの数字。

尺度になるべきは、体力や体調や知力、集中力であって、
「年齢」という数字ではない。

若いときから、なにかにつけ、
「限界」や「無理」を口にする傾向がある人ほど、
衰えたことを年のせいにしたりします。

毎日生ききっていたら、
今日も生きられることに感謝こそすれ、
年齢を恥じたり、文句言ったりするとか、
ないと思うけどな・・・。

そんな風に思う私は、
まだまだ若いのでしょうか?

 

 

MTLをやっていると、
そんな「年齢」という数字に惑わされず、
好きなことを一所懸命追いかける人たちと、
たくさん出会います。

生まれてはじめて人前で歌った、
生まれてはじめてたったひとりでステージに立った、
生まれてはじめてレコーディングを体験した、
生まれてはじめて弾き語りをした・・・etc.etc…

年齢という数字に関係なく、
「生まれてはじめて」は、いつだって、
そこで私たちを待っている。

死んだら、ひとまず、それで終わり。
生きてるうちに、めいっぱいはじけておきたいものです。

◆ブログ記事から、さらに1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガ。無料登録はこちらから。
◆6日間で声と歌の基礎のすべてを学ぶスーパー講座『第9期MTL12』。間もなく募集開始します。日程は、4月11日(土)、4月25日(土)、5月9日(土)、5月23日(土)、6月6日(土)、6月20日(土)詳細は近日!

 - B面Blog, Life, 夢を叶える

  関連記事

引き返せない場所へ、自分を連れて行け!

うるゴメ時代。 私にとっては、バンドでのメジャーデビュー作品となる、 アルバムの …

プロの世界で活躍できる子たちの5つの違い

学年の終わりが見えてくるこの時期、 口には出さないけれど、みんな、心の中で 将来 …

たかが半音。されど半音。

たった半音のキーの違い。 しかし、この「たかが半音」が大きな違いとなるのが、 音 …

「あたり前」を極める

「自分があたり前にやっていることで、 他の人が絶対にマネできないことに注目しなさ …

自分自身であり続けること。 受け取るままに表現すること。

曲や歌詞、文章はもちろん、 トレーニングメソッドも、セミナーなどのアイディアも、 …

上澄みをすくい取って「わかった気」にならない。~Singer’s Tips#21~

ちょっと昨日のブログの続編的なお話です。 ひとつの曲が生まれて、 受け手の手元に …

自分のお尻を蹴飛ばす瞬間

「えいっ!」 やらねばならぬ、 やりたい、 いや、やるのだ。 そう決意をかためて …

わかりやすくうまい人 vs. さりげなくうまい人

「歌のうまい人」には2種類います。 ビヨンセやホイットニーやアギレラみたいに、 …

そして、戦いは続くのだ。

最近、ブログを読んでくださっているというさまざまな方とお話するたびに、 「あぁ、 …

憧れを現実に変える力

中学に入学して、 生まれて初めて部活動というものをはじめた時、 同じ部活の高校生 …