ライブって、本当にすごいんだ。
人にライブの思い出を語るときは、
ついつい、大きなホールで歌った話や、
テレビの入るようなイベントで歌った話、
有名ミュージシャンとご一緒した話などをしたくなるものですが、
思い出に残っているのは、
そんな華やかなステージばかりではありません。
家族経営の小さなライブハウス。
お客さんがはいらなくて、
申し訳なさに落ち込んでいたら、
「MISUMIちゃんは俺のために歌ってくれたらいいんだよ」と、
言ってくれた、優しいマスターの顔。
歩く人影もない、地方の街で、
遠方から車で集ってくれたお客さんが、
私が歌っている間中、ず〜っと涙を流しながら聞いてくれたこと。
自分の家族やお友だちまで動員して、
ライブを盛り上げてくれたオーナーが、
「また来てね」と泣きながら私たちを送り出してくれたこと。
お客さんがメンバーの数よりも少なかったライブもあります。
いきなり電気が落ちたライブもありました。
私の声がでかすぎて、パトカーが来ちゃったこともありました。
(一度や二度じゃない・・・)
打ち上げが終了してから、
いつも真夜中の高速を車を走らせてくれたスタッフがいました。
飛び入りで演奏しにきてくれたミュージシャンたちがいました。
年に1度くらいしか行けないお店なのに、
「待っていたよ」と必ず足を運んでくれるファンの方たちがいました。
思い出すのは顔、顔、顔。
人との出会いこそが、
音楽が私にくれた、人生最高の贈り物です。
どれほどインターネット環境が充実しても、
生の音、生の人、生の空気を介してしか、
伝えられないこと、伝わらないことがある。
日本全国のライブハウスに、
心からの感謝とエールを。
音楽って素晴らしい。
ライブって、本当にすごい。
祈る思いの日々です。
◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
イケてないプレイヤーは弾きすぎる。
イケてないプレイヤーは弾きすぎる。 よく言われることばです。 例えば、 ソロを弾 …
-
-
自分の人生の価値を過小評価しない!
人にものを教える仕事がしたいと思ったら、 真っ先にすべきは、自分のプロフィールを …
-
-
絶対音感、いりますか?
つい先日、某テレビ局の方から不思議なお仕事の依頼があり、 お話を伺いました。 内 …
-
-
ベストを尽くす。ベストを尊重する。
週末の久っびさのリアルセミナーの準備に追われています。 レジメやプロット、オケや …
-
-
「マネをする」という選択も、自分のオリジナリティの一部なんだ。
人に習うと、自分のスタイルが確立できないとか、 人のマネをすると、オリジナリティ …
-
-
「できないこと」ではなく、 「今できること」に意識を向ける
うまく行かないときに、 うまく行かないところにばかりフォーカスすると、 本来でき …
-
-
「自分らしさ」、一回置いておきません?
どんなヴォーカルスタイルが「自分らしい」んだろう? 「自分らしい声」って、どんな …
-
-
「対バン」の流儀
「対バン」。 学生時代からあまりに当たり前につかっていることばなので、 この言葉 …
-
-
「たった1曲しか歌うチャンスをもらえないとしたら、 なにを歌う?」
「たった1曲しか歌うチャンスをもらえないとしたら、 なにを歌う?」 アーティスト …
-
-
「自分基準」を育てる。~Singer’s Tips #3~
「本当に実力がある人」って、 今、自分が何をしているか、 確実に理解しているもの …

