大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「つもり」はあくまでも「つもり」

      2017/10/10

ボーカリストがカバー曲を練習するときに大切なこと。

1.オリジナルをよく聞いて、音や歌詞のハマリをしっかり確認すること。

ものすごく当たり前のことなんですが、
こんな当たり前のことが、そもそもできていない人が多すぎるんです。
「知ってるつもり」はまったく知らないのと同じ。
特にバンドとのリハーサルをひかえているときは、歌の入るタイミングだけは絶対にはずせないチェックポイントなのでご用心。

2.オリジナルの歌手と一緒に歌えるという段階で練習を終わらない。

ホントに、よくいるんですよ。
「いやぁ〜、オリジナルと一緒に練習してるときは、ちゃんと歌えるつもりだったんですけどね」。
そりゃそうです。自分が歌えていないところをちゃんとオリジナルのボーカリストが補ってくれているんですから。
アカペラで歌う。可能ならば、カラオケ、もしくは楽器で歌ってみる。
それではじめてちゃんと歌えるわけです。
「歌えるつもり」は全然歌えないのと同じなんですね。

3.歌詞を覚えるときは、1人で、無意識でもしっかり歌えるようになるまで練習する

とどめはこれです。
「覚えたつもり」はな〜〜んにも覚えていないのと同じ!
譜面や歌詞カードをちらちらみながら歌える、
またはじ〜っと集中した状態でなら思い出せる、
テンポゆっくりならなんとか暗譜で歌える・・・
ダメダメダメ。事故の元です。
そんな状態でライブなんか出た日にゃあ、ライト浴びた瞬間に頭の中、真っ白です。

え?なんで突然こんなネタを?

実は、金曜日に本番を控えたGuitar☆Manというイベントの、
明日が最初で最後のリハーサル。

ソロ曲もコーラス曲もたくさんあるので、
久々に自戒を込めて書いたわけです。

ロックライブなので、可能な限り譜面に頼りたくない。
ここが気合いの入れどころです。

というわけで、Boys & Girl、がんばろうぜ。

 - Live! Live! Live!, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「軸の弱さ」をなんとかする。~Singer’s Tips #13~

高い声を出すとき、どうしても上を向いてしまう。 大きな声を出す時は、なぜかクビが …

「数値」と向き合う。「ヒト」と向き合う。

◆歌の「うまさ」は数値化できる。 専門的な機械を使えば、いや、近年ではそこそこの …

未来を切り開くのは、ひらめき、学び、そして自信。

ひらめきは突然やってきます。 「あ!今、これ、やっといた方がいいわ。」 「おぉお …

「出せない音」「イマイチ鳴らない音」を克服する方法

何度練習しても高いところが歌えない、 全体に低くて気持ちよく鳴らせない・・・ そ …

ことばに「自分の匂い」をしみつける

ことばには、話す人の匂いがあります。 同じことを言うのにも、ことばの選び方や言い …

クリスマスソング、何曲ちゃんと歌えますか?

Merry Christmas!   クリスマスのうきうき感は、 イル …

カラダをつくる~Singer’s Tips #23~

どんなに歌を練習しても、 肝心の楽器であるカラダがへなちょこでは、 いい音、いい …

イケてないプレイヤーは弾きすぎる。

イケてないプレイヤーは弾きすぎる。 よく言われることばです。 例えば、 ソロを弾 …

ロックは毛穴で聴くんである。

誤解なきように言っておくと、 私自身はそれほどラウドな音楽が 好きだというわけで …

後悔とは違う。 後ろめたさとも違う・・・ライブのイントロは前夜から始まるのだ。

ライブやツアーの前夜。 ワクワクとはほど遠い気持ちで過ぎていきます。 後悔とは違 …