大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

うまくなる人。ダメな人。

   

「歌は、誰だってうまくなる。」

20年にわたるヴォーカル・トレーニングを通じて確信した、
MTLメソッドの基礎となる考え方です。

この前提がないと、
トレーニングは前に進みません。

うまくなる人は、心が素直で、
いい意味で「暗示にかかりやすい人」。

「素直じゃない人はダメなんです」。
これは私の出版の師匠が折に触れ言うことばです。

「絶対うまくなるよ」と言えば、

あぁ、そうなんだ。
がんばれば、私もうまくなるんだ。

・・・と信じられる。

「だから、これとこれをやってみて」と言えば、

できるようになるまで、
真っ直ぐ、ひたむきに、練習をする。
そんな心身の持久力がある。

わからないこと、できないことを、
自分なりに研究し、
自分なりの解釈を加え、
突き進んでいく知力と勇気がある。

こういう人は確実にうまくなります。

 

一方で、こちらがどんなにヒントを出しても、
上達できない人というのが、一定の割合で存在します。

個人的には、そのたびに、
謙虚な気持ちでメソッドの見直しをしているわけですが、

結果の出せない人というのは、
人間的に、似かよった傾向があると感じています。

筆頭は、やはり、「素直じゃない人」。

こちらの「あなたにもできる」が信じられない。

だから、ちょっとした困難にぶち当たるたびに、
「やっぱりダメなんだ」「どうせ無理なんだ」という、
いわば「逃げ道」を用意してしまうのです。

「できる」が信じられないから、続けられない。
だから「できない」。

レッスンのたびに、
練習ができなかった言い訳と、
「がんばったけど、できなかった」という説明が続きます。

自己評価が低すぎる、
承認欲求が高すぎる、
依存心が強すぎる、
そして、知的に怠惰。

これでは結果は出せません。

どんなことも一緒ですね。

精神論でトレーニングを語るのは趣味ではありませんし、
人間教育はボイストレーナーの仕事ではありません。

しかし、
思うように行かないことが続いたら、
まずは、
自分との向き合い方、
日々の心の在り方に目を向けてみる。

最後に試されるのは人間力です。

 

◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, ある日のレッスンから

  関連記事

歌の「点」、ビートを意識する。

ドラムにビートがあるように、歌にもビートがあります。 ビートの意味は、いろいろな …

「カッコいいもの」と、それ以外

音楽学校などで、 「この曲を練習してきて」と課題曲を渡すと、 「この通り歌わなく …

「うまくなりたいけど、練習できない」を変える3つのステップ

高校1年の頃だったか、仲のよかった友人たちが、放課後、誰からともなく『Caféに …

no image
「リズム感がない」なんてことばをつかわない!

レッスンの話をもっと書きたいと思っていても、 なんだか、生徒やクライアントさんの …

未来を切り開くのは、ひらめき、学び、そして自信。

ひらめきは突然やってきます。 「あ!今、これ、やっといた方がいいわ。」 「おぉお …

カセットテープ、どうしてます?

データ断捨離もほぼ終了したところで、 「眠っているデモ音源をライブラリーに登録し …

「それは、MISUMIさんが無理だって思っているからです」

後に圧倒的な成功を手にすることになる、 ある若き女性と、 食事をしていた時のこと …

知識でも、思考でもない。メソッドは創造するものなんだなぁ。

どんなに知識を詰め込んでも、 あーでもない、こーでもないと考えても、 クリエイテ …

鍵盤楽器を買おう!

ボーカリストで、楽器をほとんど弾けないという人は多いと思います。 楽器が弾けない …

自分をつかって「人体実験」をしないこと

1964年に行われた「断眠実験」というのを 聞いたことがあるでしょうか? &nb …