“トレーナー”というものの役割を思う。
音楽の世界ってゴールはないんだよな。
ワクチンの軽い副反応で、
なかばサボりながら横になっていた昨日、
そんなことを考えていました。
ひとつの扉が開いて、光の中に進み出る。
見るもの聞くものがみな新しい、
キラキラとした世界に有頂天になって過ごすうち、
だんだんと目が慣れてくる。
すると、また新たな道が、その先に続いていることに気づく。
駆り立てられるように、またその苦しい道を歩んで、
次の扉にたどり着き、その扉をこじ開けて、
新たな光の中に進み・・・
みたいなことの繰り返しであるわけです。
そうやって、延々と、
苦しさと喜びを体感し続ける。
とはいえ、新たな道が見出せなければ、
光はだんだんと色褪せて、
「場の魔法」も薄れていくわけで。
だから、小さなゴールを積み重ねながら、
歩いて行くプロセスこそが音楽というものなのだなと。
その道の途中に立って、
もしくは、その道程を俯瞰しながら、
道行く人を励ましたり、叱り飛ばしたり、
成長のための無理難題をふっかけたりするのが、
トレーナーというものの役割。
主人公が光の中を、
自分ひとりで歩いて行かれるようになったら役目を終える、
ファンタジーのメンターのような、
いやいや、自分のキャラ的に言えば、
魔女のような存在かも。
この仕事をミッションとして受け取ってから、
ずっと、これまで私が体験してきた
驚きと冒険に満ちあふれた出来事の数々は、
今、ここにいるために経験してきたことだったのかも、
などと、思うようになりました。
突拍子もないアップダウンを経験して、
語るべきストーリーがたくさんあるからこそ、
指導者としての役割を与えられたとも言えそうです。
ずっと光を追いかけて扉を開き続けてきたけれど、
今、私がすべきことは、
光を追いかける人たちのために扉を開けてあげること。
いや。そんな優しいもんじゃない。
無理難題をふっかけて、道行く人たちをしごきまくり、
強さと勇気を引き出すこと。
そして、「さっさと開きなさいっ!な〜うっ!」と、
お尻をどかんと蹴飛ばすこと。
当分はこの役割を、
最大限に楽しみながら、やらせてもらうことにします。
◆9月4日、YouTubeにて公開中のMTLオンライン12を最大限に活用し、成果をあげていただくための、MTL “Basics”オンラインセミナーを開講いたします!詳しくはこちら。
関連記事
-
-
「ちゃんと聴く」技術。
自分の歌って、ぶっちゃけどうですか? いきなり、そんな質問をされることが、よくあ …
-
-
「気づけない」から上手くならないってことに早く気づく。
中学1年の夏休み、 長年の夢だったピアノを、 やっとの思いで買ってもらいました。 …
-
-
感情に翻弄されない クールに傾きすぎない
ずいぶん昔、サラ・ヴォーン(だったと思う)の来日公演を かぶりつきの席で見て、 …
-
-
「今日はノドの調子が悪くて・・・」
誰にだってのどの調子の悪いときというのはあります。 どんなに気をつけていても、あ …
-
-
「人生変わりました」
「MISUMI先生のおかげで、人生変わりました」 先日、某会社の社長さんが、生ま …
-
-
すごいミュージシャンって、ここがすごい。(MTLワークショップ in 東京のご感想)
MTLワークショップ in 東京vol.3の受講生のご感想から。 先日はR&am …
-
-
コツコツ積み重ねる微差が、逆転勝ちを演出する
自分の生まれは選べません。 生まれたときから、才能やルックスや音楽環境に恵まれて …
-
-
ネガティブ・スパイラルを抜け出す。
私たちが日常的に心の中で繰り返していることばが、 自らのセルフイメージをつくり、 …
-
-
行動しないで成功できる「成功法則」なんかないっ!
夢を叶えたいと思う人なら、 誰でも一度くらいは、 「成功法則」や「引き寄せの法則 …
-
-
音楽ソフトが使いたい!でも、PCが苦手?
最近昔話ばっかりで恐縮です。 生まれてはじめて、 自分でオリジナル曲を録音した時 …
- PREV
- 今日も静かにハイテンション。
- NEXT
- 選ばれるミュージシャンであるための3つの資質
