「失敗の記憶」をリセットする
心もカラダもリラックスした状態で物事に取り組み、
自らのポテンシャルを最大限に発揮して、
確実に結果を出していくためには、
ホンモノの自信が必要不可欠です。
そして、その自信を育てるのは、成功体験の積み重ね。
これしかありません。
最初はおそるおそる、
少しずつスムースに、
時折、思いがけなくうまくいって。
コツがつかめる。
リラックスできるようになる。
ひとつひとつの動作が自分自身に馴染んでくる。
やがて、一定の成果と評価を得られるようになるほどに、
小さな自信の種が、少しずつ成長し、
ホンモノの自信に育って行くわけです。
さて。
こうやって、時間をかけて育まれる「自信」が、
たった1度の大きな失敗によって、
すべて帳消し、
完全にリセットされてしまうことがあります。
たとえば大きな舞台で、
それまで確実に歌えていた、キメ曲の音をはずしてしまう。
声が全然出なくなってしまう。
歌詞を完全に忘れて、歌えなくなってしまう・・・etc.
その失敗が原因で、
メディアなどで叩かれる、
スタッフに激しく叱責される。
ファンから心配する声、嘆く声、
落胆したという声などが届く・・・
影響力のある人の失敗は、
どんどん大きく、膨らんでいきます。
やがて、その、
「失敗体験」が大きなトラウマとなって、
自信を奪い、緊張させ、萎縮させ、
次々と失敗を呼び寄せてしまう。
失敗の連鎖です。
こうなってしまうと、
なかなか、負のスパイラルから抜け出すことが難しくなります。
そんな負のスパイラルが原因で、
高い声が出なくなってしまった、
発声障害になってしまった、
ピッチが取れなくなってしまった・・・など、
症状をこじらせてしまうシンガーがたくさんいます。
人間ですから、
どれだけ準備しても、
失敗を100%回避することは不可能です。
失敗によるトラウマを抱えてしまうことは、
誰にだってあります。
成功よりも失敗の方が記憶に残りやすいからです。
こんなとき、
次こそは挽回しよう、
絶対にちゃんとやり遂げようと練習しまくるよりも、
効果が出るのは、マインドセットを変えること。
うまくいかなかったことではなく、
うまくいったことの方にフォーカスすることで、心のバランスを保つ。
「毎日が初日」と考え、真っ新な気持ちで取り組む。
負のスパイラルが高じてしまったら、
トラウマを修復できるまで一時的に完全休養する、
ということも、視野に入れてもいいかもしれません。
いずれにしても、
おそれるべきは、失敗ではなく、
失敗を引きずってしまう、
小さな失敗で積み上げてきた大きな成功体験をリセットしてしまう、
そんな心の弱さです。
毎日が新しいはじまりです。
切り替えていきましょう!
◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事のインサイドストーリーなど、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
慣れない。飽きない。手懐ける。
先日、母と出かけた、とあるテーマパークでは、 野外で、一日中フリーコンサートを聞 …
-
-
最終判断は「直感」!
「ここまで歌えるようになったら、最低限の準備は整った」 「今の自分が歌える最高レ …
-
-
スーパーファルセット(すんごい高い声)出したい?
スーパーファルセット、 ホイッスルヴォイスなどと聞いて、ピンとくるでしょうか? …
-
-
表現しろ。抑圧するな。(Express yourself, Don’t Repress yourself!)
Express yourself, Don’t Repress yo …
-
-
はじめること 続けること やめること
なにかを始める時は直感に従うことにしています。 電気的な啓示、というか、 ビビビ …
-
-
「最高の一瞬」を刻むのだ!
人と時間ってのは不思議なもので、 好ましい現時点から、それが終わりとなる未来のあ …
-
-
「なんで電話番号わかったんですか?」
今日、来客中に電話が鳴り、 リビングにいたジェフ夫さんが対応してくれたようなので …
-
-
口コミで仕事がくる人の秘密の習慣
音楽業界のような、入れ替わりの激しい、熾烈な場所で、 私のようなヴォーカリストが …
-
-
おとなってのは「なんか」言うもんなんです。
自分がなかなかにナイス・エイジなおとなになって、しみじみ、 おとなってのは「なん …
-
-
ゴールを鮮明に描く。
「がんばっているのに、どうも成果があがらない」、 「なんかうまくいかない」という …
- PREV
- 「自分の本当の声」ってなんだ?
- NEXT
- 自分のお尻を蹴飛ばす瞬間
