大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

自分のお尻を蹴飛ばす瞬間

   

「えいっ!」

やらねばならぬ、
やりたい、
いや、やるのだ。

そう決意をかためても、

ホントにうまくいくかな?
一時の気の迷いじゃないよね?
後悔しない?

などなど、

実際の行動に至るまでは、
何度も、
自分自身の心の声の横槍がはいります。

少なくとも私はそうです。

もちろん、
さまざまな状況をシミュレーションすることは大切です。
そんな心の声に耳を傾けることで回避できる危険もあるでしょう。

しかし、

大きく成長したい、
自分の固定概念、価値観、世界観を変えたい、
未知の世界に飛び込んで自分を試したい、
と望むなら、

冒険、変化、リスクなど、
予測不能の不安はつきもの。

無難に、安全に、道を選んでいては、
けして自分自身を成長させることも、
大きく変化させることもできないのです。

だから、こうと決意したら、
どんな思考のノイズが生まれようとも、
とにかく1歩を踏み出す。

そう決めています。

しかしね。

最初の1歩を踏み出すのは、
実に勇気がいるものです。

ドアを開ける瞬間、
Enterを押す、その瞬間に、
怒涛のように
「いいの?」「大丈夫?」「後悔しない?」が押し寄せてきて、
思わず立ちすくむことがどれだけあるか。

こんなとき私は、
冒頭のように、
「えいっ!」と心の中で、
時に、ほんとうに声に出して、
自分のお尻をドカンと蹴飛ばします。

バンジージャンプの最後の一蹴りを躊躇う自分を、
自分で後ろから蹴飛ばす感じ。

えいっ!です。

新しい事業をスタートする、
留学を決める、
セミナーやスクールに申し込む、

などの、大きなことから、

会いたいと思う人に連絡を取ってみる、
ちょっと値の張る買い物をする、
企画書や原稿を送る、
ブログやYoutubeをアップする、
航空券を取る・・・などなどの、
ちっちゃいことまで。

狡猾に逃げ道を用意し、
雄弁に言い訳をしようとする自分の心に、
だまらっしゃいとばかりに活を入れて、
行動を起こすのです。

「えいっ!」というかけ声が、
カラダのど真ん中に宿るエネルギー中枢を刺激する、
そんなイメージです。

「よいしょっ」でも、
「よしっ!」でも、
「おっしゃー」でも「はいっ」でも「おらっ」でもいい。

そんな「力」を集中させてくれる心の声を育てる。
自分のお尻を思いっきり蹴飛ばす瞬間をたくさん持つ。

ウジウジ悩んでいても、1歩も前に進めないから。

飛び込んで、勢いよく玉砕したら、
また立ち上がって、一から出直せばいいではないか。

失敗を恐れないことを、本当の「勇気」と言うのかもしれません。

今日もひたすら、「えいっ!」です!

◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事のインサイドストーリーなど、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, Life

  関連記事

頭を2針縫いましてん。

3日ほど前の夜中のことです。 打ち合わせと称する飲み会からの帰り道、 ジェフ夫さ …

「声が低けりゃ威厳を感じるのか問題」を考える。

ヴォーカリストの悩みで一番多いのは、 「高い声が出ない」。 一方で、ビジネスパー …

あぁ、あこがれの「ビッチ感」

人にこう見られたい、というイメージと、 実際の自分自身が人に与えるイメージに開き …

「らしくない」を排除すれば、「らしい」が見つかる

情報がどんどん入って来るこの時代に、 自分のアイデンティティ、つまり個性を見出す …

優秀な人は群れない。媚びない。焦らない。

今日は朝から、頭脳派かつ純粋にそれぞれの仕事を追求するリアルプロフェッショナルの …

「変わってる」って、なんだよ?

自分は何に、どんなことに、反応する体質なのか。 自分のアンテナは何に反応し、どん …

「君たちには問題意識というものが足りない!」

「君たちには問題意識というものが足りない!」 大学4年の時、ゼミの担当教授が、 …

「レトリバー2頭分」?

「レトリバー2頭分、離れてお並びください。」 先日、小旅行の際に立ち寄った、 ペ …

「前提はなにか?」を見極める

どんなことにも、原因があります。 大事なのは、「前提はなにか?」を見極めることで …

「もっと心をこめて歌ってよ」!?

「歌は心」的な話は苦手です。 心をこめて歌おう、 情感たっぷりに歌おうとがんばる …