大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

つながらない!

   

振り返れば、一昔前まで、
人と「つながる」にはそれなりの努力がいりました。

親子電話。呼び出し電話。公衆電話。
もはや死語になってしまったことばたち。

 

「彼氏と話したくて、十円玉を握りしめて公衆電話に走った」とか、

「話が盛り上がって、これからと言うときに、
いい加減に長電話をやめろと親に怒鳴られたり、
兄弟に嫌がらせをされたりした」とか・・・。

生まれた時から携帯電話がある世代、
そもそも、電話はテキストやスタンプを送るためのもの、
という世代の人たちには、
竜宮城のお話と同じくらい現実感のない話でしょうか。

ロンドンでの休暇中、ホテルのあまりのWi-Fi環境の悪さと、
iPhoneに頼ったときのパケット通信量の多さに、
3日目にして「つながらない」を選択して、
残り2週間を過ごした私。

 

この「つながっている」ことがあたりまえの時代に、
同世代の仲間の中でもとびきりネットを使っての仕事量の多い私が、
「つながらない」で生きるのは、なかなか勇気がいることでした。

しかし、実際に「つながらない」で生きてみると、
ネット環境が必要なのって、
現地の友だちと連絡を取るときぐらい。

まぁ、GoogleMapが使えないのはやや不自由でしたが、
街の概要は把握していましたし、
ロンドンの街中にはあちこちにわかりやすい地図があります。

そもそも地図を読むのは得意な方だし、
たまには頭をつかって街を歩くのもいいものです。

「つながらない」で暮らして気づいたこと。

ネット中毒、発信中毒、Google中毒による不安感は、
3日もすると「つながらない快感」に変わるということ。

「つながらない」ことで、
余計な情報ノイズが激減して、
心が自由な時間が何倍にもなるということ。

1日のうち、せいぜい1時間くらいつながれば、
後の23時間くらい「つながらない」でいても、
仕事に大きな影響はないということ。

23時間くらい「つながらない」ことで、
支障が出るような人間関係は、
ほとんどないということ。

クラウド頼りの人生は見直すべきだということ。

そもそも「つながらない」と、
音楽も聴けないような環境を何とかしなくちゃ、ということ。

 

そんなわけで、「つながらない」、実によかったんですよ。

 

・・・という話を得意げにしていたら、
何人かの人が私におずおずと教えてくれました。

 

「あのー。MISUMIさん。
今、海外用のポケットWi-Fiって、あるの、知ってます・・・?」

 

・・・。

 

時代は、どんどん前に進んでいくのね。。
私って、えらく遅れてたのね・・・。

いろいろと情報を知るほどに、
こんな手もあんな手もあったのかと思い、
やや凹みましたが、

いやいやいやいや。

 

今回の旅の意義は、「つながらない」ことで倍増しました。

「つながらない」を選択したからこそ、
こんなにも素晴らしい旅になったんですよ。

はい。

そういうことに、しておきます。

 

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