腰が硬い人はリズムが悪い!
以前教えていた音楽学校で、
「演奏中の動きがぎこちない学生が多い」という話になって、
ステップの指導をしたことがあります。
若者たちのカラダの硬さにも驚愕しましたが、
もっとびっくりしたのは、
腰を左右に動かせない子が、
結構な割合で存在していたこと。
腰を左右に動かすって、
難しいことじゃないですよね?
ほら、あの、クリスマス前になると、
あちこちのお店に飾られる、
腰振りサンタさんみたいな動きです。
お尻を右、左、右、左と、
スィングするあの動き。
それがね、
「はい。お尻を右!」というと、上体が左に倒れる。
「左」というと、今度は上半身が右に倒れる。
腰は微動だにしていません。
そうかと思うと、
腰を左右に振っているつもりで、
腰が前に45度回転してしまうという、
器用なのか不器用なのかわからないタイプも、
結構見受けられました。
「踊って!」ということを英語で、
“Shake your hips!”などと言うように、
「腰を振る」は踊りの基本中の基本。
ところが、
腰回りの筋肉がびっくりするくらいガチガチで、
腰の動きに上半身がくっついていってしまう。
そもそも動かし方がわからない・・・。
そして、ここ、大事なとこなのですが、
腰の動きが悪い子は、
みんなもれなく、リズムに問題のある子でした。
反対に、ひょいひょいと気持ちよさそうに、
お尻をスイングさせられる子は、
いつも「グルーヴがいいね!」と評価されている子。
「いやー。みんな、もっと踊りに行った方がいいよ!」
とけしかけると、
そんなときばっかり、
「あのー、先生俺ら、まだ未成年なんで」
と言い訳されたものですが。
リズムって、めちゃくちゃフィジカルなものです。
歩くリズム。
泳ぐリズム。
羽ばたくリズム。
動物はみな、カラダを自由にしならせて
全身でリズムを表現している。
人間は、二本足で歩けるようになる代償に、
背骨の自由さをなくしちゃったんでしょうか。
腰が硬いということは、背骨が硬いということ。
しなやかにリズムを感じるには、
この柔軟性が必要不可欠なんです。
ヴォーカリストだけじゃなく、
楽器をやっている人も、です。
人は背骨でリズムを感じるのです。
ちょいと、そこのみなさん。
こっそり立ち上がって、お尻を右に、左に振ってください。
頭の高さは変えずに。
骨盤が前にぐるっと出てこないように・。
ヒザを柔らかくして。
気持ちよくリズミカルに、
腰を左右に振れていますか?
もうね、そろそろ、
ラジオ体操にも、
腰を振ってステップを踏む、
みたいな動き、入れてもいいと思いますよ。
いや、これ、マジで。
◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
歌は、習っても、習わなくてもいいのだ。
歌だって、楽器だって、誰かに習う必要なんか、もちろんありません。 立派な学校に通 …
-
-
練習するのは、全てを忘れるため
「テクニックなんかどうでもいいんですよ、歌は。」 ピッチだ、リズムだ、表現力だと …
-
-
「空気読め」とか、違くないか?
生まれて初めてアルバイト情報雑誌を買って、 バイトを探した時は、 一体みんな、何 …
-
-
ちゃんと鳴らす~Singer’s Tips #33~
「ちゃんと鳴らす」というタイトルの記事は、 これまでも何度かアップしてきました。 …
-
-
なくて七癖、カツゼツ編
自分の発音のクセ、知っていますか? 方言やアクセントの話ではありません。 50音 …
-
-
自分のリソースを「棚卸し」してみる
前か、後ろか、はたまた上か・・・ 先が見えなくて、身動きが取れないときは、 自分 …
-
-
成長に痛みが伴うのは、 本気度を試されているから。
高校1年の夏だったと記憶しています。 手足が痛くて、眠れない夜が続きました。 筋 …
-
-
アチチュードが、結果をつくる。
なにから始めたらいいかわからないなら、 憧れの人がやっていることを観察して、マネ …
-
-
タフであること。 楽天的であること。 そして適度に鈍感であること。
少し前のこと。 とあるアーティストの子が、こんなことを言っていました。 「悪口を …
-
-
歌っている自分を直視できない?
歌っているところを動画に撮る。 こんな宿題を出すことが多々あります。 自分を客観 …
- PREV
- そんなこと、 何年やってても、絶対にうまくなりません。
- NEXT
- ベーシストって、すごいんだ。

