「声質なんか似ないでしょ?」〜歌の完コピ〜
私のプロフィールに書かれている「300曲以上完コピした」を読んで、
「結構、盛っているだろ〜?」
「ってか、どうやって数えてるわけ?」
と突っ込んだ人は、「で?」と突っ込んだ人と同じくらいの割合でいるかもしれません。
この数字は、出版関係の資料をつくっているときに、メンターの方に、「なんでも数値化するクセをつけろ」と教わって、自分が完コピにつかったボロボロの歌詞カード集や、音源などをかき集めて数えた、正真正銘、本当の数字です。
すでに資料がなくなったものはカウントされていませんから、これでもちょっと少ないくらいかもしれません。
さて、完コピ。
大好きなアーティストの歌の、メロやリズム、歌詞などは当然のこと、歌い回しや、歌いグセ、ピッチの取り方、発音、声の音色、呼吸、グルーヴ、タイミング、などなど、とにかく、徹底的にそっくりに真似することがしびれるほどに楽しくて、ある時期、本当にハマリました。
「声質なんか似ないでしょ?」と思うかもしれませんが、実は、みんなが「声の質」と認識しているものは、かなりの割合で、「声の出し方の特徴」であり、コピー可能な要素なのです。
つまり、並べて聞き比べれば違うけど、同じ種類の声と認識してしまうのに充分なくらい声に似た成分を乗せていくということが可能なわけです。
モノマネの達人が、必ずしも自分のモノマネレパートリーの中の人物と声質が似ているわけではないというのは、こういう理由からです。
声の質を決めるのは、首周辺、口の内外、舌などなどの、形や筋肉の状態。
モノマネを繰り返すうちに、こうした小さな筋肉たちが活性化され、自在に動かせるようになり、やがて微調整までもが可能になります。
これらの筋肉を自在に動かせるようになることは、自分の想いと声を繋げる上で非常に重要なこと。
自分なりの歌唱スタイルを得るための一歩でもあります。
・・・完コピを語り出すと、何夜でも連続で語ってしまいそうなので、今夜はこの辺で。また、小出しに書いていきま〜す。
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