とにかく歌う。毎日歌う。それを続ける。
生まれて初めて包丁を持つときは誰だって、
なんのことはない作業、
例えば、単に「キュウリを切る」という作業をするだけなのに、
手が震えたり、ドキドキたり、ものすごく時間がかかってしまったりするものです。
お母さんたちは、あんなにこともなげに、
見事に包丁をつかっているのに。
あぁ、自分は、こんなにも包丁をつかうことが向いていないんだ。
どうせ自分になんか、一生包丁を使いこなすことなんか無理なんだ。
あぁああああ。無理無理無理・・・・やめてやるぅ〜〜っ!!!
そんな風に思い込んで、
そのまま一生、包丁を手にしないなんて人、
一体どのくらいの割合でいるでしょう?
たいがいの人が、
毎日キッチンに立って、料理をするようになれば、
包丁なんて、あっという間につかえるようになることを知っています。
さらに10年、20年と、
家族のさまざまなニーズに答えながら、料理を続けていれば、
よほど料理が嫌い、食べることに興味がないという人以外は、
そこそこ名人、達人の域に入っていくもの。
その間、さまざまなレシピを試し、
さまざまな人のフィードバックを受け、
失敗を重ねたり、工夫を重ねたり。
程度の差こそあれ、
誰もが、ありとあらゆる試行錯誤を、
無意識のうちに繰り返していくわけです。
料理に使う時間を、毎日2時間程度と仮定すれば、
1年365日で年間730時間。
10年間で7300時間。
20年だと15000時間近く。
それだけの時間、打ち込めれば、
あんな、鉄の板を片手に持って、
透き通るような薄さで大根をむけるようにさえなる。
不思議なのは、
誰もがこれを当たり前と考えていること。
そして、これが当たり前なのは、
「お母さんの仕事だから」と思っていること。
さて。
包丁を「歌」や「楽器」に置き換えてみて下さい。
「さまざまな人のフィードバックを聴きながら」
「試行錯誤を重ねて」
毎日、歌っていれば、または弾いていれば、
「あっという間にうまくなる」。
1日2時間、1年365日。10年で7300時間。
それで、名人。達人の域です。
これだって当たり前のことなんです。
プロがうまいのは、それが仕事だから。
毎日、やらざるを得ないから。
大事なこと。
なにかをできるようになりたいと思ったら、
毎日やること。
そして続けること。
最初、へたくそなのは、誰だって当たり前です。
その時点でめげるから、終わっちゃうんです。
仕事だからとか、やらざるを得ないから、ということではなく、
とにかく歌う。毎日歌う。毎日弾く。
それを続ける。
それだけです。
10年とか、20年とかいう、気の遠くなりそうな時間も、
そうやって毎日何かに取り組んでいれば、
あっという間に過ぎ去るものですよ。
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