「センスが悪い」と言われる人への5つのアドバイス
今日は昨日のブログの続きとして、
テクニックはあるのに、音楽的に評価されない、
「センスが悪い」と言われてしまう人へ、
日頃、私がよくしている、5つのアドバイスを。
1.とにかく精度の高い「完コピ」をすること。
音楽的センスは、努力次第で、
大人になってからでも身につけることが可能、というのが私の持論です。
もし「身につける」ということばが適切でないなら、
「磨く」と言い換えましょうか。
「センスが悪い」「センスがない」と言われる人は、
自分がどうしてダメなのかがわからない。
なんで、そう言われるのかがわからない。
つまり、自分で自分をジャッジする力が弱いのです。
まずは、完コピです。
「完コピ」というからには、「完全にコピー」するのです。
フレーズの意味、歌う人のマインド、表情までも盗み取る。
やがて、自分の中で開いていなかった目が開くように、
いろいろなことが見えてくるものです。
2.踊りを習うこと。踊りに行くこと。
「音楽とはフィジカルなものである」というのが、
これまた私の説。
人間のカラダがあって、
表現したい想いがあって、
ある種の踊りが生まれ、
やがて音楽が生まれた。
音楽は、耳や脳で感じるものではない。
文字通り全身で、
五感で、
毛穴のひとつひとつで、感じるもの。
音楽のセンスを研ぎ澄ますには、
全身の感覚をオープンにすることも、
とてもとても有効な方法です。
3.自分が好き!と思う音楽を見つけ、
そのルーツを徹底的にさかのぼること。
「好き」「ドキドキする」がなければ、
自分の中で感情や表現は育ちません。
ネットで流れてくる音楽を、
ただ流し聞きするだけでは、だめなのです。
音楽で自分の感情が動かないのに、
人の感情を動かすことはできないからです。
自分の心を動かしてくれる音楽と出会うこと。
1曲と出会ったら、その曲を追いかけてみる。
アーティストを追いかけてみる。
やがて、音楽と感情、
感動が結びついていくのを体感できるはずです。
4.本を読むこと。映画を見ること。旅をすること。
どんなに表現力があっても、
表現したいことがなかったら、無意味です。
絵の具でいっぱいの道具箱を眺めて、
ただニマニマしているのでは、
宝の持ち腐れというものです。
なにを描きたい?
何を伝えたい?
自分という人間に奥行きや深みがなかったら、
その表現する音楽もぺらぺっらの、
「伝わらない」ものになるのは当然です。
自分の中の感情や感動を育てる。
表現したいもの、伝えたいことを育てる。
どんなアートも、パフォーマンスも、
すべて、そこからです。
5.外部の人、音楽家と積極的に関わること。
最後は、コミュニケーションです。
人との関わり合いの中でサウンドが生まれ、
呼吸が生まれます。
「おまえ、センスないな」と叩きのめされようと、
食らいついて行く。
どんどん、前に出て、自分を試し、
揉まれながら、成長して行く。
部屋に閉じこもって、ひとりで練習しているだけでは、ダメなんです。
いかがでしょう?
「センスを磨く」は、もちろん、
一朝一夕で結果の出ることではありません。
しかし、こうした小さなことの積み重ねで、
必ず、人は、変わっていけるはず。
どうせ無理だと、やらないで落ち込んだまま10年過ごすくらいなら、
何十年かかったっていいさ、と腹をくくって積み重ねる方が、
よほど意味ある人生ではありませんか。
「やっぱり無駄だった」は、やった人だけが言うセリフです。
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