大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「なんか、できちゃうかもしれない」妄想

   

ロックダウンを機にスタートした英語のレッスンも8週目。

今日も、”S.W”あらため、サラと、
最高に楽しく、テンションの上がるレッスンが終了しました。

かねてより、
「よき師に恵まれる人は、よき師になりうる」
と信じている私ですが、

サラの優秀さと人柄には、
本当に学ぶところ、見習うところが多く、
英語だけでなく、
実に得るものの多い時間を過ごしています。

声にも歌にも自信がないという彼女に、
MTLメソッドを英語でレクチャーするという設定で、
レッスンを進めてもらっているわけですが、

話が深くなるほどに、
語学の学習と、歌のトレーニングとに、
さまざまな共通点が見出されて、
毎回、共に驚き、盛り上がります。

例えば・・・

・不安や緊張を感じると、
自分自身のポテンシャルを引き出せなくなる。

・間違いや失敗をおかすことは全く恥ずかしいことではない。
怖いからと、逃げ出してしまうことの方がずっと怖い。

・完璧にできるようになるまで、
人前に出ることはできないなどと考えたら、
一生人前になんか出られない。

・完璧にできないのはあたり前。
完璧である必要なんか、ない。

・「正しい」ことが重要なのではない、
伝えたいこと、表現したいことが重要なのだ。

・・・etc.etc…

セッションのたびに、サラは私に、
「なんか、できちゃうかもしれない!」
という妄想を抱かせてくれます。

そして、それこそが、
人にものを教える人にとって、
一番大切な資質なのではないか。

あそこができない。
ここがダメ。
そこは、こうして。。。

ダメ出しに終始してしまうのは、
ダメ出しをする方が簡単だから。

有能な先生は、
生徒が持っている能力を正しく評価して、
誰もが持っている「可能性」を教えてくれます。

その上で、どうしたら、その可能性を切り開けるか、
具体的に、その方法を教えてくれるのです。

サラとセッションしたあとは、
「なんか、できちゃうかもしれない」妄想による高揚感で、
がんがん筆が進みます。

次の週のレッスン用の原稿もどんどん書き進みます。

ああ、こんな風に、可能性を見せてくれる先生で、
私もありたい。

やっぱり、高揚感をくれるレッスンこそが、
結果を出せるレッスンなんだよな。

これが、なかなか、難しいわけなんですけどね・・・。

◆ 一から歌を学びたいという方にも、基礎を見直したいというプロの方にも。オンラインのお得なBasic3パック
◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, ヴォイストレーナーという仕事

  関連記事

迷う余地なく行動できるよう自分を追い込む

あれは中学生くらいのことだったでしょうか?   新しい学年がはじまると …

カセットテープ、どうしてます?

データ断捨離もほぼ終了したところで、 「眠っているデモ音源をライブラリーに登録し …

上澄みをすくい取って「わかった気」にならない。~Singer’s Tips#21~

ちょっと昨日のブログの続編的なお話です。 ひとつの曲が生まれて、 受け手の手元に …

「初めて」が「自分の基準」になる!

オーディションなどの審査をするとき、 最初に出てきたパフォーマーが、まずは採点の …

「切り替え」と「集中」で精度を上げる!

インプットとアウトプットを、 高い精度で両方一度にこなせるという人は 一体どのく …

no image
「情報」は量より質!

私はボイトレや声、カラダに関する本など、 気になるものを定期的にどかっと大人買い …

ことばってムツカシイ。

「うっそぉ〜」というリアクションが流行ったのは、 80年代だったでしょうか。 「 …

自分がヘタに聞こえるのは、上達してきた証拠

週1回90分レッスンに通いながら、日々コツコツと自主トレもできる人なら、 およそ …

「わ。ピッチ悪い」をどうするか。

初めて「ピッチが悪い」と言われたのは、 歌の学校に通いはじめて、しばらくしてから …

高揚感を抱えて眠れ〜LIVEの夜の過ごし方〜

演奏者がLIVE終了後にどんな気分でステージを降りるかは、 ミュージシャンの性格 …