誰かに「習う」前にやるべきこと、できること。
2025/09/03
楽器や歌をはじめたいと思うと、
「とりあえず、スクールや個人の先生を探さなくちゃ!」と、
思ってしまう人が多々います。
もちろん、長年ノウハウを構築してきた先生につけば、
自分が何ヶ月も試行錯誤しても身につけられないような、
テクニックやフィーリングを教えてくれるかも知れません。
先生の言うとおり、一所懸命練習すれば、
そこそこ、弾けるようにも、歌えるようにもなるでしょう。
目的が「楽器を弾けるようになりたい」
「歌を楽しく歌いたい」という、
ざっくりしたものであれば、それもいいかもしれません。
小さいこどもであれば、
我流で練習させて、変な癖をつけるくらいなら、
最初から正しいフォームで学んだ方がいいというのもわかります。
しかし、です。
中学生、高校生以上になって、
楽器をはじめたい、歌をはじめたいなら、
人に習う前にやるべきこと、できることは山ほどあるはずです。
とりあえず楽器を手に入れる。
さわってみる。
音を出してみる。
楽器のことを知ってみる。
歌なら、いろんな人の歌をどんどん歌ってみる。
自分の歌をちゃんと録音して聞いてみる。
クラシックをやりたいならいざ知らず、
ポップスやロック、R&Bなどの音楽をやりたいなら、
とにもかくにも、自力でどんどんその音楽を掘り下げたり、
楽器のことを研究したりと、
まずは自分なりに練習するのが一番です。
この時代、初心者が知りたいことの答えは、
全部インターネットの中にあります。
情報が多すぎて迷うかもしれません。
しかし、それは、人に習ってもおなじです。
スクールも個人レッスンも、結局は講師依存の音楽教育。
教える側の能力やセンスによって、
どんなレベルの、どんな傾向のプレイや唱法を学べるか、
大きく左右されます。
自分自身で情報を選び取る力をつけることは、
いい講師に出会うためにも非常に大切です。
あーでもない、こーでもないといじくりながら、
自分なりの方法で練習をしてみる。
そこそこ、音が出せるように、
そこそこ、演奏できるように、
とにかく練習してみる。
練習の成果を人に聞いてもらう。
ぼろくそ言われる。
また試行錯誤しながら練習する。
・・・そんなことを繰り返して、
行き詰まったらときこそが、
いよいよ、スクールの門の叩き時です。
行き詰まるまでやるから、
自分にとって何が必要かわかる。
自分が求めるものがわかる。
ゴールが見えない、
行きたい場所がわからない状態で、
誰かに「手を引いて」と頼むのでは、あまりに丸投げです。
何をやりたいのか?
どんな音楽をやりたいのか?
何が好きなのか?
そして、何をやりたくないのか?
その答えを自分自身でみつけられなければ、
結局どこにもたどりつけません。
教える側にできることは、
「やりたいこと」を全力でサポートすること。
それだけなのです。
◆関連記事:
・個人レッスン?グループレッスン?メリットと選び方
◆ グループでも。個人でも。MTLの講座なら、あなたに合ったスタイルで学べます。
講座一覧はこちら>>
◆ MTLの最新情報・限定コンテンツはメルマガで!
ご登録で「7 Stepsセルフチェック」+「モーニングルーティン10」をWプレゼント!こちらから>>
関連記事
-
-
国語力、お願いします!
歌を教える仕事をしていて、 最もフラストレーションを感じるのは、 生徒がなかなか …
-
-
未来を切り開くのは、ひらめき、学び、そして自信。
ひらめきは突然やってきます。 「あ!今、これ、やっといた方がいいわ。」 「おぉお …
-
-
フェンダー持ってる小学生?/カラダという楽器の価値とポテンシャルをちゃんと知る!
年明けくらいから、ご新規の若手アーティストたちが、次々とやってきてくれる雰囲気が …
-
-
「声質なんか似ないでしょ?」〜歌の完コピ〜
私のプロフィールに書かれている「300曲以上完コピした」を読んで、 「結構、盛っ …
-
-
「マスターベーション」とか言うな!
歌は音程のついたことば。 テクニックがどんなにすぐれていても、どんなに巧みな音楽 …
-
-
時代が変わって、「歌が好き」という人たちの思いは、 どれだけ変わったのだろう。
「困ったことがあったら本屋へ行け。 自分が困っていることは、他の人も同じように困 …
-
-
「所詮同じ人間」という前提に立つ。
誰かにできて、自分にできないことを、 生まれや育ちの違いのせいにしてしまうのは、 …
-
-
「天才はみな、オタク?」or「オタクはみな、天才?」
誰に頼まれたわけでもなく、 1円になるわけでもない。 他人から見たら、ただのオタ …
-
-
歌える歌ばっかり歌っていたら、いつまで経ってもうまくならない。
「今の自分の実力だったら、どんなの歌うべきですかね?」 これは、「自分に向いてい …
-
-
知っていること vs. わかること vs. できること
知っていることと、わかっていることの間には、大きな溝があります。 …
- PREV
- 音楽家として生き抜く力
- NEXT
- 「お客さんに甘やかされたらあかんよ」