誰かに「習う」前にやるべきこと、できること。
楽器や歌をはじめたいと思うと、
「とりあえず、スクールや個人の先生を探さなくちゃ!」と、
思ってしまう人が多々います。
もちろん、長年ノウハウを構築してきた先生につけば、
自分が何ヶ月も試行錯誤しても身につけられないような、
テクニックやフィーリングを教えてくれるかも知れません。
先生の言うとおり、一所懸命練習すれば、
そこそこ、弾けるようにも、歌えるようにもなるでしょう。
目的が「楽器を弾けるようになりたい」
「歌を楽しく歌いたい」という、
ざっくりしたものであれば、それもいいかもしれません。
小さいこどもであれば、
我流で練習させて、変な癖をつけるくらいなら、
最初から正しいフォームで学んだ方がいいというのもわかります。
しかし、です。
中学生、高校生以上になって、
楽器をはじめたい、歌をはじめたいなら、
人に習う前にやるべきこと、できることは山ほどあるはずです。
とりあえず楽器を手に入れる。
さわってみる。
音を出してみる。
楽器のことを知ってみる。
歌なら、いろんな人の歌をどんどん歌ってみる。
自分の歌をちゃんと録音して聞いてみる。
クラシックをやりたいならいざ知らず、
ポップスやロック、R&Bなどの音楽をやりたいなら、
とにもかくにも、自力でどんどんその音楽を掘り下げたり、
楽器のことを研究したりと、
まずは自分なりに練習するのが一番です。
この時代、初心者が知りたいことの答えは、
全部インターネットの中にあります。
情報が多すぎて迷うかもしれません。
しかし、それは、人に習ってもおなじです。
スクールも個人レッスンも、結局は講師依存の音楽教育。
教える側の能力やセンスによって、
どんなレベルの、どんな傾向のプレイや唱法を学べるか、
大きく左右されます。
自分自身で情報を選び取る力をつけることは、
いい講師に出会うためにも非常に大切です。
あーでもない、こーでもないといじくりながら、
自分なりの方法で練習をしてみる。
そこそこ、音が出せるように、
そこそこ、演奏できるように、
とにかく練習してみる。
練習の成果を人に聞いてもらう。
ぼろくそ言われる。
また試行錯誤しながら練習する。
・・・そんなことを繰り返して、
行き詰まったらときこそが、
いよいよ、スクールの門の叩き時です。
行き詰まるまでやるから、
自分にとって何が必要かわかる。
自分が求めるものがわかる。
ゴールが見えない、
行きたい場所がわからない状態で、
誰かに「手を引いて」と頼むのでは、あまりに丸投げです。
何をやりたいのか?
どんな音楽をやりたいのか?
何が好きなのか?
そして、何をやりたくないのか?
その答えを自分自身でみつけられなければ、
結局どこにもたどりつけません。
教える側にできることは、
「やりたいこと」を全力でサポートすること。
それだけなのです。
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