「本気で好き」ということ。
「歌が好きなんです。
本気でシンガーになりたいんです。」
そんなことばを聞くたびに、正直、あぁ、またか、とげんなりします。
情熱的にそう語る子に限って、
その後、「でも・・・」とことばが濁るのです。
「親が反対している。」
「自分にはそんな実力はない。」
「将来が不安で・・・」
で、毎日どう過ごしているの?と訊ねると、
「歌っています!CD聞きながらず〜っと歌ってます。
カラオケ行ったり。お風呂とかでも歌います。」とくる。
では、何を歌っているのかと聞けば、
「いろいろです。好きな曲をどんどん歌っちゃって、
気がつくと結構時間が経っちゃってて。。。」
ふーん。
それって、歌が好きな人なら誰でもやることじゃない・・・?
こう言うと、「あなたなんてこと言うの?」的反応をされるのですが、
この世の中で、歌が好きで、
毎日のようにカラオケに出かけて、
好きな歌を友達と次から次へと歌っている子が、
一体何人いるでしょう?
もちろん、その中から、
本気でうまい子も出てきますから、
無意味だと言っているわけではありません。
ただね。
シンガーというのは特別な存在です。
そうやって「歌が好き」という、みんなの憧れです。
誰もがやっている、楽しいことしかやらないで、
いつか特別な存在になれるのじゃないかという思考回路は、
なんとおめでたいと感動してしまうわけです。
本気で歌が好きで、シンガーを目指している子というのは、
「本気なんです」とか、
「毎日一所懸命歌っています」的なことは、
いちいち言いません。
そんなことばを言う必要がないくらい、
本気が伝わってきます。
曲をつくるのが止まらない。
バンドでがんがんライブをやっている。
どんどん歌ってはSNSに投稿している。
オーディション受けまくっている。
レッスンに通ったり、人に会いまくったりしている。
デモを次々つくっている。。。。
彼らの身を切るような思いが、
ひしひしと伝わって来て、
すごいなぁ、本気で好きなんだなぁ、
なにか手伝えることがあれば、
何だってやってあげたい、という気持ちになる。
「本気で好き」は、人を動かす。
プロになっていく人って、
活躍する人って、
結局、その「本気」で人を動かす人なんじゃないか。
「本気なんです」って、人に言うのをやめてみる。
言い訳するのをやめてみる。
ガッツリ何かに取り組んで、
人に「本気だな」と納得させる。
誰かに、「お前、本気だろ?」と言わせてみる。
そのくらいじゃないと、誰も動いてくれません。
「本気で好き」って、そんなエネルギーなんですね。
◆ 超少数精鋭。『第2期インストラクター養成コース』募集中。
詳しくはHPをご覧ください。
◆【メルマガ365】では「ノドにいいもの、悪いもの」について連載中。
「バックナンバーまとめ読み」もお勧めです。ご登録はこちらから。
関連記事
-
-
「イケてないデモ音源」の作り方?
以前、プロへの突破口『デモ音源の渡し方?』という記事を書きました。 プロになりた …
-
-
「やりたいことなのにがんばれない」の7つの理由
「やらなきゃいけないって、わかってるんですけどね・・・」 「いや、本当にやりたい …
-
-
「今さら?これから始めてモノになるの?」(ビデオレターのご感想から)
ビデオレターの課題を続々と送っていただいていますので、 一部になりますが、少しず …
-
-
てやんでえ、ばかやろう!
「そんな年からピアノはじめて、モノになるわけないでしょ?」 「あなたは耳が悪いか …
-
-
「レコーディングセッション」という真剣勝負。
お仕事日記です。 トレーナーを志したその時から、自分自身がどんなプロセスで上達し …
-
-
「これ、誰歌っているの?」と思わず聴いてしまうデモの歌唱とは?
「このデモ、誰が歌ってるの?」 初期のスタジオのお仕事は、すべて、 …
-
-
「こちとら何年やってると思ってんのよ!」
「こちとら何年やってると思ってんだっ!?」 誰かに自分の専門分野を誉められた時に …
-
-
まだやれるから悔しい。 まだ行けるから苦しい。
音楽で食べていかれるかどうか。 そんなことを本気で心配し始めるのは、 大学や音楽 …
-
-
悪口や嘲笑で人生を無駄遣いするな。
あなたのまわりには、「こいつ、すごいなー」と思える人、 何人くらいいるでしょうか …
-
-
アーティストたちの「本気度」
プロのアーティストや、その卵たちにとって、 もっとも大切なことは「結果を出すこと …
- PREV
- 「これで完璧!」って、なぜ言える?
- NEXT
- Never Too Late!今しかない!