大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「やりたい」と「できる」と「やる」

   

「音大目指すなんて、今からじゃ無理よ」
中学2年の時に、
とある音楽教室の先生に言われました。

当時の私は「音楽家=音大出のエリート」と思いこんでいて、
ポール・マッカートニーだって絶対音大に行ったに違いないと、
本気で信じていました。

ピアノをはじめたのは中学1年の夏休み。
碌な音楽的素養があるわけでもないのに、
ただ漠然と、音楽家になりたい、ピアニストになりたい、
音大に行きたい、などという夢を描いていた私。

その先生曰く、
音大のピアノ科に行きたいなんていう子は、
3才〜5才くらいから英才教育を受けている。

「聴音だって、初見だってできなくちゃダメなの。
和音を聞いて、即座になんの音を弾いているか、
みんな、わかるのよ。」

だから、ポピュラーピアノをやりなさい。
そう、先生に言われるままに、
それからは、ポピュラーピアノを中心に、
レッスンを受けるようになりました。


しかしね。
なんか、中途半端なんです。

だって、ドビュッシーやラベルの音が好きだからピアノを弾きたいのに、
映画音楽やら、ディズニーやらの曲を弾くわけです。

映画音楽やディズニーは、
あの映像とサウンドあってこその音楽。
どんなにピアノで気分出して弾いたって、
あの広がりや深みが出せるわけもないし、
そんなスコアが書けるようになるわけでもありません。

やがて夢中で聞くようになった、
ブルーベックやバド・パウエルのような、
濃厚でスリリングなピアノが弾けるようになるわけでもない。

そこそこがんばって練習しましたが、
やがて、音楽的にたまらなく退屈になって、
再びクラシック、そしてフュージョン、クロスオーバーへと、
興味が移行していくことになりました。

当時の私は、
手が小さいの、
ピアノをはじめたのが遅いの、
海外留学できないの、
耳が悪いの、と、
まぁ、考えつく限りの言い訳をしていましたが、

それでもあのまま、毎日何時間も、
ピアノだけを練習をすることを続けていれば、
きっと、今頃そこそこ弾けるようになっていただろうなと、
思うことがあります。

ギターもしかり。

いろんな人にダメ出しされて、
意見されて、
自分とまわりを引き比べて、
なんだかいやんなって、
結局手放してしまった想い。

高校1年の時にはじめたエレキを、
今も、あの時と同じくらいの情熱を持って弾いていたら、
ギタ女の走りとか、なれたのかも知れません。

 

でもね。
結局、「やめた」という事実がすべてです。

言い訳も理屈も、なんだっていい。

「できないから」でも、
「才能がないから」でも、
「未来が見えないから」でもない。

やめた理由はただひとつ、
「やりたくなくなったから」です。

これだけはどうにもなりません。

才能があろうが、
環境に恵まれていようが、
やりたくない人間を、
できるようにすることはできないんです。

だから、「できない」というくらいで、
「無理」と言われたくらいで、
やめられることは、さっさとやめた方がいい。

 

人生は短い。

だから「やめた」ことを後悔するのじゃなく、
今、何を「やりたい」のか、
そこだけにフォーカスして、
それを徹底的に追いかけるしかないのよね、と。

馬鹿でもダメでも失敗しても、
なんでもいい。

結局、やりたいことをやるだけです。

人間、それしか、正解はないんですよね。


【11月1日は年に1度のMTL感謝祭、MTL 配信Live 2020!】
こちらよりYoutubeにアクセスしていただけたら、世界中どちらからでもご覧いただけます。
バーチャル夏合宿で切磋琢磨しあったMPCメンバーの渾身の映像作品、私、MISUMIのトークライブ、そして全員参加のクワイア映像などなど。今年も盛りだくさんでお届けします。
Open  13:00 Start 13:30です。
ぜひチャンネル登録&アラート設定の上、当日はぜひリアルタイムにて応援をよろしくお願いいたします!

 - B面Blog, Life, My History, 夢を叶える

  関連記事

「音楽やる」ってことと、「音楽を仕事にする」ってことは違うんだ

生まれてはじめて、ライブハウスでライブをやったとき、 自分たちのライブのチケット …

「夢喰って生きられないぞ」

大学3年だったか、それとも4年生だったか。 アルバイトをしていた東京タワーのおみ …

心のノイズを打ち消して、ただがむしゃらに進むのだ

こんなこと、やってみたい! こんなこと、やったらどうだろう!?   そ …

カラダに染みこませたものは裏切らない。

若かりし頃から、使った「歌詞カード」を 大切に取っておく習慣があります。 「ネッ …

生(リアル)な音、ください。

溝が浅くなるまで、繰り返し聞いたレコード。 ぼろっぼろになるまで、使い込んだ歌詞 …

飽きず、 腐らず、 あきらめず。

自らが選んだ道の上で、 人に選ばれ、 人に望まれ、 人に期待されること。 &nb …

悪口や嘲笑で人生を無駄遣いするな。

あなたのまわりには、「こいつ、すごいなー」と思える人、 何人くらいいるでしょうか …

ロックもデートも飲み会も、ぜんぶ投資なんだ!

起業の勉強をはじめたばかりで、 あまりのアウェイさに、 毎日、本気で吐きそうなく …

誰かに「習う」前にやるべきこと、できること。

楽器や歌をはじめたいと思うと、 「とりあえず、スクールや個人の先生を探さなくちゃ …

「聞こえませーん」

会議の時、 「聞こえませーん」と言われることが恐怖で、 必死に声を振り絞って話す …