大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

抜本的に、根本的に、ミュージシャンは、まず、そこ!

   

一定のレベル以上のミュージシャンになると、
そこから上の実力の差は、
一般の人の耳では、なかなか聞き分けにくくなるようです。

さすがに、本気で、ものすごくうまい人は、
「別物」に聞こえるとは言いますが、

それも単に、大きな会場で演奏していたり、
テレビに出ていたりするから、
「すごい」と認定される、ということもしばしば。

人のコンサートに出かけて、
「この人、ホントにうまいのかな?」と悩みながら、
家路につく人も少なくないはずです。

しかしです。

「ヘタ」は、誰でも、すぐわかる。

 

この、わかりやすさがすごい。

一聴で、「あ、ないわ。」とわかる。

 

これって、なんなのでしょう?

 

たとえばギターでも、
もう、ダメな人はものすごくわかりやすい。

 

音がパキンと抜けてこない。そもそもちゃんと鳴ってない。

チューナーでチューニングしているに違いないのに、
なんか、ピッチがシャキッとしない。

そして、リズムの点が、かちっとこない。

 

この3点は、どんなシロウトさんにも、
す〜ぐわかる残念ポイントです。

 

ヴォーカリストでも全く同じです。

 

そもそも、声をきちんと鳴らせていない。
あるべき、自分というからだ特有の音が出せていない。

ちゃんと鳴っていない楽器は、
誰が聞いても気持ちのいいものではありません。

 

そしてピッチ。

とにもかくにもピッチが悪いと、
他の楽器との関係性が成立しない。

メロディがわからない。

聞いている人は、無意識に、
ずっと頭の中で、「これってなんの音なんだろう?」
「楽器のチューニングに対してどうなっているんだろう?」
というフラストレーションを感じます。

そして、この感覚はミュージシャンだけでなく、
一般の方にも、意識されないだけで、同じように起こるのです。

 

最後に、リズムの「点」です。

これも他の楽器との関係性の中で、
「?」が浮かんでしまう要素の一つ。

このリズムのズレは、こどもでもわかります。

例えば、誰かが机を叩く。
叩いたと同時に「ばーん」と鳴るべき音が、
叩いた瞬間じゃなく、ちょっと後に聞こえれば、
そこに違和感を覚えるのは万人共通なのです。

 

表現力とか、
感情とか、
アドリブとか、
フレージングとか、

なんだかんだなんだかんだ、
こだわりたい気持ちはわかる。

 

でもね、抜本的に、根本的に、

ヴォーカリストは、いや、ミュージシャンは、

まず、そこ。

 

その大切さを心から理解し、
本気でその3点に取り組めた人だけが、
次のレベルに行けるのです。

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